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スマホロックを勝手に解除…「過干渉の母親」から“出向”で逃げるまでの顛末

コラム

母親には行き先を告げず出向することに

毒親

「掃除や洗濯、料理の作り置きなどもしてくれますが、たまにならともかくこうも頻繁だとただ迷惑なだけ。それだけならまだしも机の引き出しやクローゼットの中を漁った形跡まである。そこはこっちも想定していたため、母が自分のプライベートを把握できるものは家に置かないようにしていましたが、せっかく一人暮らしを始めても全然気が休まりませんでした」

 しかも、父親に頼ろうにも家のことにはあまり干渉しようとせず、おまけに母親の言いなり。一応、相談をしてみるも「そのくらい別にいいじゃないか」とまったくアテにならなかったそうです。

「このまま母親に干渉されっぱなしの人生なんて想像しただけでもゾッとします。そこで思い切って会社に転勤願いを出したんです」

 勤務先は全国展開しており、系列会社も複数ある大企業。希望は無事受け入れてもらえ、翌年度から九州にあるグループ企業に出向することになったそうです。

嫁いびりしそうで結婚したくてもできない?

「両親には地方転勤になったとだけ話し、場所などは伝えていません。今は個人情報保護法やコンプライアンスの問題があるので大丈夫とは思いましたが、会社には母親から連絡があっても絶対に教えないように念を押しておきました。予想通り両親に転勤を伝えた後、会社に問い合わせが来たらしいですけどね(苦笑)

 着信拒否やブロックはしていないので連絡はたまに来るそうですが、コロナ禍の影響もあってここ2年半は実家にも戻っていません。次の盆休みか正月には帰省を考えているそうですが、母親には「まだ会いたくないとの気持ちのほうが大きい」と言います。

「出向後、母には今後も同じように過剰な干渉を続けるつもりなら絶縁も辞さないと強い口調で言いました。そのときはショックを受けていましたが、言い訳ばかりで謝罪や反省の言葉はなかったんですよね。私としては親子として普通の関係を望むだけなのですが、それすらも難しいのかなって。そろそろ結婚もしたいですけど、あの母では誰が相手でも奥さんがいびられる未来しか想像できませんから

 必要以上に干渉しようとすれば避けられるのは当たり前のこと。いくら息子であってもいい大人なのですから適度な距離感をもって接してもらいたいものです。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(ズズズ)>

-[私が体験した毒親トラブル]-

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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