FP風呂内亜矢のマネールール「将来の『貯蓄格差』に備えよ」
絶対に使わないお金は「先取り貯蓄」に
また、効果的な貯蓄方法として、給与が支払われるたびに一定額を貯蓄に回す「先取り貯蓄」を勧めます。
風呂内氏曰く「余った分のお金を使うという考えだとお金は貯まりません。給与をもらった時点で貯蓄する分は絶対に使わないように見えないところに避けておく。これをルーティン化することで自然とお金が貯まっていきます」
ネット銀行が提供している「定額自動入金」というサービスは、他行の口座から毎月一定額を自動で入金できて、手数料無料で利用できるので「先取り貯蓄」をする上で有効といえるでしょう。
新生活を迎えるにあたって、風呂内氏は「マネールール」を改める必要性を説きます。自分の生活サイクルを踏まえたうえで、利用する金融機関を決めたり、決済方法にルールづけを行うことが大切だといいます。
夫婦のお財布は「二極化」している
マネー講座の最後に、風呂内氏は「60歳で仕事をリタイアするとして、実際に働いて稼げる時期は22歳から数えて38年しかないこと」を留意して欲しいと強調します。
「現在、給与としてもらっているお金を、全部使ってもいいものだと見誤ることが危険だということを知って欲しいです。働ける期間は限られていて、定年後は基本的に貯蓄を切り崩して生活していかなくてはなりません。未来のために少しでもお金を残していくことを意識してもらいたいですね」
2017年6月「楽天市場」が30~40代の既婚男女400人を対象に調査した「夫婦のお財布調査」によれば、「4人に1人は1000万円以上の貯蓄を持つ一方で、4人に1人は100万円以下の貯蓄額となり、貯蓄額が二極化している」とのことです。
将来、訪れるかもしれない「貯蓄格差」といえるこの状況に泣きを見ないためにも、新社会人のうちに“マネーのいろは”を心得ておいたほうがよさそうです。
<取材・文/石井通之>