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わずか4か月で2度転職も…25歳“メンヘラ女子”が苦しむ毒親の記憶

キャリア

「その上司は私がミスしてもほとんど怒らず、生徒の学生をすごく汚い言葉で怒鳴っていたんです。でも、それを聞いていたら、母との記憶がフラッシュバックして、毎日、家で泣き叫んでいました

 それが原因で、まゆこさんは1か月後に日本語学校を退職。転職し、今度は事務職に就いたそうです。しかし、私生活のいざこざも重なり、それも3か月で退職してしまいます。

単純作業で止まらない気持ちのループ

トラウマ 職場

「事務の仕事は日本語学校と違って、同じ作業を毎日繰り返すので、気持ちの切り替えができないんです。例えば、気持ちが落ち込んだまま出勤しても、ひたすら事務作業をして、その間ずっと、頭の中でぐるぐるいろんなことが回ってしまうんです」

 その後、現在の旦那さんと結婚し、1年間、心を休めることに。そして現在は「再度、語学教師としての就職にチャレンジしている」と言います。

 そんなまゆこさんは、「仕事」についてどう考えているのでしょうか。インタビュー数日後、こんなメッセージが届きました。

「会社を辞めて、思ったこと、充実して生きられたんじゃないか。今の生活に、それなりに満足はしているので、後悔はあまりありません。当時できることを、精一杯やっていたと思います。

 でも、精神的に健康で、普通に仕事ができたら、もっと違う選択肢があったんじゃないか、もっと平穏に、充実して生きられたんじゃないかという考えは、なんとなくいつも頭にあります」

メンヘラと呼ばれる人たちが生まれるわけ

 ネット上で、メンヘラがアイデンティティになる光景は珍しくありません。背景には、現在抱えている生きづらさを偶然と考えたくはないという、彼女たちの意思があります。

 あまりにツラい現実だからこそ、偶然ではなく、「これは必然だった」と考えることで、人生を受け入れているのです。まゆこさんも他のメンヘラたちも自分の過去を整理するために必死に生きているのではないでしょうか。

 また、メンヘラと呼ばれる人たちには、家庭環境に問題を抱えている人が少なくありません。とりわけ外側から見えづらい精神的な虐待は「マルトリートメント」と呼ばれ、現在の法制度の中では、子供が家族から離れるのが難しい現状にあります。

 親のせいで子供がトラウマを抱えることのない社会が来る日を願ってやみません。

<TEXT/日和下駄>

ライター・編集者・俳優。メンヘラ当事者研究会会長。演劇をやりながら働ける方法を探していたらいつのまにかメディアに携わっていた。興味のあるジャンルはサブカルチャー全般