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職場の“方言ハラスメント”が起こるワケ。「なまりは失礼」なのか

学び

訛りが強く「二度手間だから電話に出るな」

方言ハラスメント

「日本ハラスメント協会」代表理事でハラスメント専門家の村嵜要氏のもとには、ひと月に約80件ある問い合わせのうち5件ほどはダイハラに該当しているという。

「2パターンがあり、1つは方言をいじられて仕事がやりづらくなるもの。いじりを超えて、鹿児島出身の訛りが強い人は『二度手間だから電話に出るな』と業務を制限された例も。

 もうひとつは、パワハラ相談の中にダイハラが含まれているもの。関東の人が、関西に赴任して関西弁の上司にパワハラを感じる例は少なくありません。その場合は、上司の方言を矯正するのではなく、パワハラに注意するよう助言して解決を促します」

どんなケースがダイハラになる?

 しかし、現実的に方言の意味がわからず、コミュニケーションが成立しないことは起こりうる。どんなケースがダイハラになるのか。

「職場での方言や訛りの扱いは、言葉の意味を双方が理解できれば問題ありません。通じない方言を共通語に変えるのは業務上必要な範囲といえますが、意味が通じているのにイントネーションの精度を高めるような場合はダイハラに該当するでしょう

 ダイハラが厄介なのは、他のハラスメントより悪気なく起こりやすいこと。方言を話す側も、言われて仕方ないと思う人が多く、表沙汰になってきませんでした」(村嵜氏)

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