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予想以上に多い「文章を読めない人」。それでも伝わる文章を書くには

学び

Yahoo!ニュースの見出しは15.5文字

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 先ほど「人間は文章を読まない」と言いましたが、それではどうやって文字情報を知覚しているのかというと、感覚的には「見る」が近いと考えられています。たとえば、「Yahoo!ニュース」の記事の見出し。Yahoo!ニュースの見出しの文字数は15.5文字となっています。これは、調査により導き出された、読み手が記事内容を一目で正確に把握するのに最適な文字数です。

 また、人間の視覚情報処理に関する研究にも、こんな実験結果があります。京都大学大学院の下田宏氏の実験によると、人間が眼球を動かさずに知覚できる文字数は、9~13文字とのことです。日本のWebにおいて、「短い文章で物事を伝える」ために膨大な回数の試行錯誤を繰り返した結果であるYahoo !ニュースの見出しと、科学的な研究結果がほぼ一致しているのは、偶然ではないでしょう。

 人間の脳が文章を知覚するプロセスは、大きく2つに分類できます。

 1つは、文字を目で認識する過程。もう1つは、目で認識した文字を、情報として処理する過程です。この2つの過程において、それぞれの読み手のコスト(負荷)を最低限に抑えることで、「読み手ファースト」な文章、すなわち相手が読もうと思ってくれる文章、相手に伝わる文章を書くことができるのです。

<TEXT/UXライター、コピーライター 宮崎直人>

株式会社Paidy Senior Marketing/UX copywriter。1982年生まれ。2007年に日経グループの広告会社、日本経済社に新卒入社。営業を経て、コピーライターに。2019年、楽天に入社。2021年より現職。あと払いサービス「ペイディ」のマーケティング施策のコピーライティングや、アプリのUXライティング、ブランドボイスの設計など「言葉による体験のデザイン」をプロダクト開発の現場の最前線で実践している。著書『秒で伝わる文章術』(フォレスト出版)

秒で伝わる文章術

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