「かつや」店員も大幅な給与減…コロナで多発する「不当なシフトカット問題」と対処法
とんかつチェーン「かつや」で就業拒否が
Aさんの場合、緊急事態宣言が出た時点で確定していたシフトもありました。その部分については、いったんシフトが確定した後にシフトが減らされたことになるので、一定給与補償がされることになりましたが、緊急事態宣言発出時にシフトが作成されていなかった期間については、一切給与補償をしようとしていません。
労働基準監督署も、シフト未確定期間のシフトカットについては、給与補償義務を認めるよう指導することができません。シフト制労働者の場合、会社の判断でいかようにもシフトを減らすことができてしまい、たとえシフトをゼロにしたとしても、その分の給与補償義務を免れてしまうのです。
会社によるシフトカットは、気に入らない労働者に対する制裁手段としても活用されています。かつ丼・とんかつチェーン「かつや」の運営会社では、2020年4月の緊急事態宣言期間中に発熱した社員が、パート・アルバイトらの抗議にもかかわらず複数回出勤したことから、パート・アルバイトらが就業拒否をしました。
その後、復職したものの、パート・アルバイトの就業拒否を主導したと会社に見られた人物のシフトは、その後も大幅に削減され続けました。
声を上げた労働者に対する制裁でシフトカット
また薬局で月130時間程度働いていたパート労働者の方は、お子さんを1人抱えるシングルマザーでしたが、店長兼社長から目を付けられ、パワーハラスメントの一環として大幅なシフトカットをされ、月の労働時間は半分以下にまで減少してしまいました。
会社は「業務ができないからシフトを減らした」と主張していますが、具体的に言われるのは、金銭トレーの置き場所が違うなど、どれも些細なことばかりです。その程度のミスで、収入を半減させられてしまったらたまったものではありません。
シフト制労働者は、会社に対して非常に弱い立場に置かれているのです。