“郊外の覇者”イオンモールが「東京23区」に初出店!驚きの「人気タウン」に決まった背景
23区内にある「イオン生え抜きの総合スーパー」は?
23区内にある「イオン生え抜きの総合スーパー(旧ジャスコ店)」としてはイオン東雲店、イオン南砂店などがあるものの、それらはほとんどが駅から遠い立地であり、駅チカの旧ジャスコ店は東京モノレールの駅に隣接する「イオン品川シーサイド店」、東急池上線の駅前にある「イオン御嶽山駅前店」など、ごくわずかだ。
そんなイオンが「都市型戦略」を採り始めたきっかけの1つといえるのが、2006年の「都市計画法」改正だった。
「郊外の覇者」は過去のものに?
2006年の都市計画法改正では、店舗面積10,000㎡以上の大型店(映画館、スタジアム、娯楽施設など含む)の出店地域が商業地域・近隣商業地域・準工業地域の3用途地域のみに限定されるなど、以前よりも大型店の立地規制が強化された。その結果、郊外型ショッピングセンターの出店は2009年から減少に転じることとなった。
2006年の法改正後は郊外地域における出店数が激減した。なお、ショッピングセンターは建設に長期間を要するため2008年頃までは改正前の出店申請がなされた店舗が開業しており、影響にタイムラグが現れたとみられる。そうしたなかイオンが採った戦略が、小型店・中型店・大型店それぞれの業態による「都市型店舗」の出店だった。
そのうち、小型店では都心部において狭小食品スーパー「まいばすけっと」「マックスバリュエクスプレス」などの出店を加速。2010年代に入ると人口の「都心回帰」の動きも追い風となり、今年1月には「まいばすけっと」(首都圏店舗)だけで1000店舗を超えるまでになった。また中型店では、2020年から大阪や名古屋でイオンリテール運営の都市型中規模ショッピングセンター「イオンそよら」の出店を進めている。