渋谷で人気の26歳八百屋さんが明かす、壮絶なスタート「自分で自分を過労死」
街も店の形態も客層も異なる3店
ちなみに「菜根たん」3店それぞれのカラーとしては、渋谷店と根津本店、特に渋谷店は普段の買い物と合わせてお客さんは日常会話を楽しみに来ているという印象。調理法を聞かれたり商品知識や雑学好きな向学心あふれた方も多いです。また、少し高齢の方だと「風邪ひいてない?」と若いスタッフの心配までしていただくこともあります。
大宮店では比較的若い世代、カップルなどの多いロケーションを活かし、テナント入居している「アルシェ」さんと協力して、地域物産品のプロモーション映像を大型ビジョンで流したり、新潟県十日町市など地方自治体と連携してコラボイベントを開催したりするなど、新たな試みに取り組んでいます。
街も店の形態も客層も異なる3店なので、それぞれの特徴を活かした接客や商品、企画展開をしながら、スタッフと日々模索しています。
出会いとつながりの連鎖が前に進ませる
東日本大震災から10年を経た2021年3月、僕は故郷の仙台にオープンした日本最大級の果樹園「JRフルーツパーク仙台あらはま」のPR大使に就任しました。ここは津波で数百人の方が犠牲になった仙台市若林区荒浜に復興のシンボルとして新設。
年間を通して8品目156品種の果物狩りができる体験型観光農園です。新型コロナが落ち着いた際には東北・仙台へ多くの方に訪れていただけるよう、その魅力を発信していきたいと思っています。
「菜根たん」のリアル店舗やネット通販では宮城の復興をテーマにつくられた新品種である「にこにこベリー」などフルーツパークの果物も取り扱っていきます。復興のその先を目指してこれからもさまざまなチャレンジをしていきたいと思います。
また、「一般社団法人和ハーブ協会」の古谷暢基理事長との出会いから、「和ハーブ アンバサダー」に就任しました。同協会は、現在流通しているすべての野菜や果物のルーツである野性の植物、その在来種のなかでも特に有用性のあるものを「和ハーブ」と定義し、文化などの普及啓蒙を目指しています。
「菜根たん」でもユズ、ミツバ、サンショウなど、和ハーブの「生鮮」としての流通に少しずつチャレンジしています。つながりから会社を立ち上げ、そこでまた生まれる出会いとつながりの連鎖が、僕を前へと進ませてくれるのです。
<TEXT/「菜根たん」代表 三浦大輝>