「同性パートナーシップ制度」は必要?歌舞伎町ホスト経営者が議会を開催
「なんとなく賛成」していたことに気づく参加者も
グループディスカッションでは、登壇者と参加者がふたつの班に分かれてそれぞれの意見交換を行いました。
ディスカッションを経た参加者の感想を発表する場面では「ゲイの男性と話すことによってLGBT問題はセックス(性行為や性的嗜好)の問題ではなく、個人の生き方やアイディンティの部分が大きいことを知った」や「世間の風潮に合わせて、なんとなく賛成していたけど、条例の本当の意味を理解していなかった自分に気づけた」といった声があがりました。
パートナーシップ制度の導入が叫ばれるのは、同性カップルが生涯を共に歩んでいく上で直面する現実的な問題が背景にあるからです。当事者は同性カップルの公認を求める以上に、婚姻による社会保障(税金の配偶者控除や扶養控除、遺産相続など)を受けられないという苦境があり、制度によって改善されることを求めています。
同性カップルが男女の場合と同等の条件で暮らせるフラットな社会の実現が今後の課題と言えそうです。
主催者に「歌舞伎町議会」の今後を聞いてみると…
イベントを終えて、主催者である手塚さんに「第2回 歌舞伎町議会」の感想と、今後の展望についてコメントをいただきました。
「前回が複数テーマのせいか質問会のようになってしまったので、今回はひとつのテーマに絞ってみました。ただもっと身近なテーマのほうがよかったかもしれません。勉強会の向きが強くなったのが反省点ですね。今後は歌舞伎町のナイトワーカーが抱える問題や、彼らが政治に参加していく意義を考えていきたいです」
現行の社会制度の多くはマジョリティ(多数派)の立場で作られています。マイノリティ(少数派)側との齟齬が生まれるのは当然だと捉えることもできますが、「不平等を正すべき」という機運は今後さらに高まっていくことでしょう。
<取材・文/石井通之>
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