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青山フラワーマーケットが駅で展開する深いワケ。画期的なディスプレイの秘密も

ビジネス

花を売るようになった意外なきっかけ

 株式会社パーク・コーポレーションは、実はイベントを企画運営する会社として始まっている。それがなぜ花を売るようになったのか。酒井氏は次のように話す。

「代表の井上英明が会社を立ち上げたのが1988年。その頃たまたま、井上が花市場を訪れる機会がありました。当時はまだ『花は高い』というイメージがあったようですが、花市場に売られている花は、種類も豊富でリーズナブルなことに衝撃を受けたようです。

 驚きそのままに、その場で何本か仕入れて知人に売ったところ、安いし、花の鮮度も良かったので、好評を得ました。そして、瞬く間に口コミで評判が広まって、あれよあれよという間にお店を出すまでに。それが現在の青山フラワーマーケットに繋がっているんです」

1号店の成功で出店依頼が舞い込む

青山フラワーマーケット

青山フラワーマーケット 新宿東口店

 思いがけない出会いから誕生した青山フラワーマーケットは、かつて花屋のイメージから縁遠かった駅や商業施設の入り口での出店が目立つ。実はこれも戦略ではなく、あくまで偶然からスタートしているそうだ。

「最初は井上が、たまたま青山を散歩中に、商業ビルの飲食フロアに下りる階段の踊り場をみつけて交渉し、そこが1号店に。花屋ができたことで、オーナーには家賃収入が入り、しかも、花で華やかになり、ビルの利用者からも評判が良かったようです。

 また、この頃はまだ百貨店などは入り口に大きな装花をしてお客様を出迎えていました。それを、フロントに花屋を配置すれば、毎日お客様はその花を目にして季節を感じられます。そういった意味で、人通りがよい場所の出店依頼が舞い込むようになりました」

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