周囲から「信頼できる人」と思われる。リーダーの素養「仕切る力」の身につけ方
「進行役」はいつも冷静である必要はない
進行を司るファシリテーターは、できるだけ冷静な仕切りが求められる立場ですが、ときには自分自身がヒートアップしてしまうこともあります。アベプラでもときおり、私が自分の意見を主張したり、論客と熱い議論を交わす場面がありますが、じつはこれ、ある程度はあえてやっている面もあります。
議論が低調で盛り上がりに欠ける場面では、ファシリテーター自身が極論を投げかけたり、テンションを高めてその場を活性化させることもあります。
議論の幅を広げたり、深みを増すためには、ときに自分自身が身を削って、話の輪に飛び込んでいく覚悟が求められます。そして、議論に火がついて、参加者たちが身を乗り出してくれば、今度は自分がすっと身を引いて、またもとのポジションに戻ればいいのです。
時には熱意を参加者に伝えることも
ファシリテーターは単なる進行ロボットではありません。あくまでその会議に参加するメンバーの一人でもあることを忘れてはいけませんし、それを節目節目でアピールすることも大切だと考えています。
ただ日和見的に進行を担っているのではなく、誰よりもその議題に熱い思いを持ち、ときに自身の意見も織り交ぜながら進行していることがわかれば、その熱意が参加者に伝わり、一目置かれるようになり、立場が尊重されて進行しやすくメリットがあります。
あくまで他人に対する配慮を守ったうえで、自身の熱量を上手にコントロールしていければ、議論をより盛り上げることができ、あなたの手で部署やグループの力を引き出すことができるはずです。
<TEXT/テレビ朝日アナウンサー 平石直之>