ティッシュにお米も…全品半額「関西発のアウトレットスーパー」創業者に安さのカラクリを聞く
「安いのありますよ」怪しい呼び込みの日々
「明日準備して、明後日オープンしようぐらいのスピード感でオープンしました。ただ、いままではネット販売しかしていませんでしたし、実店舗の経験がある人がいなかったので、最初はどうしたらいいかわかりません。『お釣りは、要るよね?』とか『値札を付ける機械も要るよね?』とか。1日で準備してオープン、チラシも作っていませんでした。
隣に保育園、その横にスーパーがあるので、通行する方に『ここ、安いのありますよ』なんて怪しいことを言っていましたね。最初は怪訝な顔をされました。でも、来てくれた方たちは『どうしてこんなに安いの?』と反応してくれ、『実はパッケージに傷があって…』など説明すると、『全然そんなのいいよね』と言ってくれ、口コミで広がっていったんです」
お客様が真っ暗な倉庫で商品を探す
店に来た人が「安いのあるよ」と、その場で知り合いに電話してくれ、最初は数人程度だったお客が日々増えていったのだとか。ただ、電気がなかったので、夕方までで閉店。薄暗くなったら店内では商品が見えづらくなったが、お客たちは携帯電話のライトで照らしながら、まるで宝探しをするように商品を購入していった。
「いまの日本で、そんな光景ってないですよね? 私はそういう光景を見たとき、フリーマーケットや商店街などで買物を楽しむお客様の姿と重ねていました。ネットのほうが早いし便利だし、今後もどんどん加速していくでしょう。でも、それだけじゃない。こんなふうにワクワクし、喜んでもらえるなら可能性があると思い、2号店もオープンさせたのです」