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脱ペーパードライバーの講習業者に予約が殺到するワケ「教習所より実践的」

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加齢とともに運転技術習得の難易度は上がる

ペーパードライバー講習

サワムラガクの受講者統計

 しかし、「必要になってから練習するのではちょっと遅い」とのことだ。

「自力で練習する場合はもちろん、講習を受講していただいた場合も、『終わったらすぐ運転をマスターできる』わけではありません。運転のための正しい理論や運転法は教えられますが、定着させるまでに一定の練習が必要だからです」(川内さん)

 運転をマスターするための期間や難易度は、年齢によっても変わるという。

「受講者のボリューム層は30代半ばですが、加齢とともに運転技術習得の難易度は上がります。個人差はありますが、20代であれば6時間で終わるコースが、9時間、12時間とどんどん増える傾向にあります。必要に迫られる前の20代のうちに運転できるようになっておくと楽ですね」(川内さん)

失業して運転が必要になった人も

ペーパードライバー講習

3月の講習空き状況(2月1日時点)

 講習の受講者数や受講動機は、コロナ禍で大きく変化した。沢村さんによると、平常時は1~2週間前に予約が埋まる状況だったのが、コロナ禍では2~3か月先まで予約でいっぱいだという

「最大の要因は、コロナ禍で教習所の実施しているペーパードライバー講習が一斉にストップしたこと。教習所の獲得していたシェアがそのまま民間業者に流れました。また、『電車に乗りたくない』『密を避けたい』という動機をお持ちのお客様も増えている印象です」(沢村さん)

 一方、動機のなかには「コロナ禍で仕事を獲得するために必要になった」というケースもあるらしい。

「不幸にもコロナ禍で失業された、転職を強いられた方たちにお話を聞くと、転職に際して運転免許を求められることが多いようです。しかし、実際は免許を持っているだけでなく、運転スキルも求められる場合がほとんど。面接で『あなたはペーパーじゃないよね?』と聞かれた際、『運転できます』と答え、後で必死に運転を習得しようとする方もいました」(川内さん)

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