マスク生活で「耳疲れ」が急増…補聴器メーカーが伝えたい、耳との付き合い方
テレビの音が「聞こえ」の指針に
コロナ禍では、久しぶりに実家に帰省し、両親のテレビ音量が大幅に上がっていて「こんなに大きな音でテレビを見ているのか」と驚いたり、そこで難聴が発覚するケースも。
「外出の機会が減り、テレビに没頭する時間が増え、さらに人との接触が減ることで耳の老化に気づきにくくなります。聞こえ辛さやテレビ音量の問題で、家族間のトラブルが増えるケースも多いようです。
最近では、スマホでもアプリを用いてデシベルを測定することができます。もちろん厳密な数値を測ることはできませんが、おおよその数値を確認するため、チェックしてみてはいかがでしょうか」(藤垣氏)
電車内の音楽はアナウンスが聞こえる程度に
藤垣氏いわく、騒音が起きる場所であっても短時間の滞在なら大きな影響はないという。
「例えばコンサートやライブに行ったあと、キーンという耳鳴り音が聞こえることはありませんか? 特にロックコンサートのライブ会場は、120デシベルを超える環境になる場合もあるため、耳にダメージが与えられるのです。ライブなら滞在時間は2時間程度なので一時的なダメージで済む場合がほとんどですが、よくライブに行く方は耳を休めるために、時には耳栓を使用することをおすすめします」(藤垣氏)
また、静かな場所であってもライブ会場や地下鉄の同等の騒音が起こってしまうのが、イヤホンの利用だ。
「イヤホンは鼓膜の近くで音が出るので、少し音量を上げただけで騒音級のボリュームまではねあがります。周囲の人はその様子に気づかないので注意されることもなく、どんどん音量を上げてしまいます。それにより負荷がかかり、耳に疲れが生じてしまいます。
電車などでイヤホンを使って音楽を聴く場合、外部の騒音が邪魔になってついつい音量を上げてしまいませんか? 車内の音圧自体は80デシベル程度ですが、その音量を超える音で音楽を聴こうとボリュームを上げてしまうこともあるはず。車内アナウンスなどが聞こえる程度の音量に留めましょう」(藤垣氏)