マツダが進める「自動運転」技術。7年もかかった開発の苦労を聞く
人の感情の変化を読み取る車も…?
「車と移動を組み合わせることによって、人生をより豊かにできる可能性は、まだあると感じています。たとえば、『移動してここまで行けば〇〇がありますよ』ということをリアルタイムで提案したり、思い出に残してあげられたりできたらいいと思います。
また、車の中で取れたデータが自分や家族の健康管理に役立ち、『今日は体調がいまいちのようだから、運転せずに公共交通機関で通勤すれば?』など家族との会話にもつながるかもしれません。
余談になりますが、『今日は楽しそう』『元気がなさそうだ』など人の感情の変化を客観的に読み取ることができる技術が実現できつつあります。そのため、自分の気持ちが前向きになることは何だろう? と客観的に分析することにもつながり、ポジティブになれる行動を選択しやすくなるでしょう」
マツダが思い描く「車が伴侶になる未来」
マツダが2022年に販売するCO-PILOT1.0では、ドライバーが運転できなくなった場合に助けるということに着目。2025年からは、より早く異常の予兆をつかんで危険な状態になる前に対処できるよう進化させていくという。
「ドライバーのささいな変化やミスなどから予兆をつかみ、車側からドライバーにサポートやアシストを高い頻度でおこなうことにより、ドライバーが常に安全に運転できる状態を作り上げていきます。そして皆さまに、車社会が安全で楽しいものに変わっていくことを実感していただき、車を使った生活で、より人生を楽しんでもらいたいです」
2022年マツダは、CO-PILOT1.0を搭載した車の販売が開始されるとともに、米国アラバマ工場での生産スタートやラージ商品の市場導入もはじまる。車が伴侶になる未来に期待を膨らませながら、今後のマツダの動向に注目したい。
<取材・文/山内良子>