在宅勤務の冬はニオイ成分の濃い汗が…「男の体臭ケアのコツ」をプロに聞いた
少数派の意見を反映したノンメントールタイプ
2008年より「男デオナチュレ」シリーズを展開している同社。女性の制汗剤市場はしばらく横ばい状態だが、男性の制汗剤市場はここ10年間拡大トレンドだという。
「もともと、制汗剤を使用する男性が少なかったこともありますが、やはり身だしなみ意識が高まっていることが大きな理由でしょう。ちなみに、デオナチュレでは、男女で汗や皮脂の分泌量が異なるためそれぞれに適した処方にし、また商品によってはテクスチャーや大きさなどに若干の違いを持たせることで男女それぞれでの使いやすさにもこだわっています」
さらに、男デオナチュレシリーズには、ひんやりしない・無香料のノンメントール処方の製品も2020年に新発売。男性用の制汗剤は「クール感」や「爽快感」を前面に出すタイプが多く、「ひんやりしない」「ノンメントール」を売りにした製品は珍しいという。
「弊社の調査によると約75%の男性が『メントールの清涼感が好き』と答えたのですが、残りの約25%は『メントール独特の香りや刺激が苦手』と回答。本来なら多数派の意見を優先するため見逃してしまうのですが、あえてこの層に注目しました」
コロナ禍の冬場は濃い汗に注意
「リサーチを進めると、競合他社さんの製品を含めノンメントールを訴求している男性用制汗製品が存在しないことが分かりました。少数のニーズではありますが『汗やニオイに悩む人がいるなら、一人でも多くの方の悩みを解消したい』という理念がある弊社としては、それに対応した製品を出したいと考えました」
夏場にかくイメージが強い汗。しかし、昨年から自宅で過ごす時間が増えたことで、汗の質にも変化が生まれているとか。
「コロナ禍での運動不足や、夏場でも冷房の効いた室内にこもりがちで汗をかかないことで、汗のニオイが悪化してしまいます。筋肉と同じで、汗腺も動かないと衰えていきます。汗に含まれるニオイの元になるミネラルやカリウムは、本来なら体内に吸収され、水分量の多い汗となって出てくるもの。
ところが、汗腺の機能が弱まることで汗に含まれるニオイ成分が特に濃くなり、さらに皮膚常在菌も繁殖しやすくなります。また、夏に比べて汗をかく機会が圧倒的に減る冬も同様の理由でニオイが強くなりがちです。汗腺機能が低下した状態で、厚着や暖房のせいで汗をかき、ニオイ成分の濃い汗が出てしまいます」