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日本の6人に1人が「相対的貧困」。SDGsの達成を妨げる深刻な問題とは

ビジネス

先進国の中でも相対的貧困率が高い

貧困

 こうしたSDGsの基礎知識については、すでに知っている人も多いかもしれない。だが、2030年という期限が迫るなかで「日本が達成できていない目標はどれだけ残っているのか」ということに触れる機会は、あまりないのではないだろうか。

2021年現在、17の目標の中で日本が達成できているのは3個だけ、残りの14個は未達成。このうち、特に深刻なのが目標①の『貧困をなくそう』です」と、清水氏は続ける。

「国連は、1日1.9ドル(約210円)以下で生活している状態を『絶対的貧困』と定義しています。日本では1日約210円で生活する絶対的貧困の状態にある人はほとんどいません。ですが、相対的貧困は大きな問題になっています。相対的貧困とは『その国・地域の水準で比較して、大多数の人よりも貧しい状態のこと』を指します。

 日本は主要先進国のなかでも15.7%と相対的貧困率が高いことが調査でもわかっています。日本人の約6人に1人が相対的貧困の状態にあり、厚生労働省によると、2018年の子どもの相対的貧困率は13.5%(約7人に1人)でした」

さらに高いひとり親世帯の相対貧困率

SDGs

相対的貧困率の国際比較(2018年)出典OECD.stat ※図版は『親子で考えるSDGs』より

 さらに問題なのが、ひとり親世帯の相対的貧困率だと言う。

ひとり親世帯の相対的貧困率は48.1%ときわめて高くなっています。そうした家庭では子どもが進学をあきらめる、学費や生活のためにたくさんアルバイトをしなくてはならないなど、子どもの負担が増える傾向があります」

 これからの日本を背負っていく若い世代が貧困状態にあるというのは、とても見過ごすことができない。しかし、高い相対的貧困率の原因には、どういったことが考えられるのだろうか?

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