東洋水産「赤いきつね」、値上げの衝撃。海外即席麺事業は好調に推移も
7セグメントの利益推移は?
同様にして、利益推移も見ていきます。下記のような順位になりました。
海外即席麺>国内即席麺>低温食品>冷蔵>その他>水産食品>加工食品
利益で見ると、海外即席麺が最も得られる金額が大きい事業になっているのです。事実、東洋水産の海外展開は順調に進行しており、米国では1977年から現地生産を始めており、今では4か所の製造拠点があります。ほかにも、メキシコ・ブラジルでも販売しており、いずれの国にも現地拠点が作られているのです。
そして、アメリカ拠点・メキシコ拠点の公式サイトを見ると分かりますが、日本で売られている東洋水産製品のパッケージの雰囲気から大きく変わっており、現地のテイストにかなり合わせています。日本の製品を「そのまま」持っていくだけでは、なかなか成功できないということがわかる事例でしょう。
特徴的なニュースを振り返る
続いて、特徴的なニュースを振り返っていきます。特に大きな不祥事は見つかりませんでした。しいていうならば、川崎工場の閉鎖に伴う解雇を無効として、解雇された元従業員から訴えを起こされたことがあるくらいですが、こちらは結果として東洋水産側の対応が妥当であると判定され、2002年12月27日付で元従業員の訴えが却下されています。
この判断は、工場の閉鎖に対して、代替案を提示したり、対象となる従業員に対して十分な説明をしたりという企業側の活動の証拠がしっかり残っていた結果であると言えるでしょう。
そして、プラスのニュースとしては「赤いきつね」が2019年4月にギネス記録として認定されています。「同じ俳優を起用したテレビCMを最も長い間放送し続けている商品」という記録で、俳優の武田鉄矢氏も同時に認定されています。1978年に放映開始して以来、2021年現在も武田氏を起用し続けており、ギネス記録は塗り替え続けられているのです。