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普通の会社員が早期退職「FIRE」をめざすなら…究極にシンプルな投資法

コラム

最初の(もしかすると最後の)選択は…

選択肢

 インデックス運用を行うと決め、購入する投資信託選びができれば、あとは自動的に積立購入をすればいいことになります。しかし、投資信託の比較サイトなどで「インデックス運用」にチェックを入れても何百本もの投資信託が出てくるので、何を選ぶかは悩ましいところです。日本人がインデックス投資で世界中に分散投資を考える場合、基本的には「バランス型ファンド」を活用するのが便利だと思います

 まず「日本株」を投資のターゲットに入れることになるでしょうが、それだけでは世界の多くを対象外としてしまいます。そうなると「外国株」をターゲットに含める必要があり、この2つを投資対象とするだけでも分散投資はかなり進展します。しかし2つの投資信託を買うよりバランス型ファンドを1つ買うほうがメンテナンスは楽になります。

 また、一般的なバランス型ファンドは「債券」を数割程度は含めるので、株価の急上昇時には部分的利益確定を、下落時には部分的な仕込みをしてくれることになり、こうした負担も軽減されます。投資割合が変動したとき、所定の投資割合を投資信託側が自動的に維持してくれるのもバランス型ファンドのメリットです

インデックスファンド選びのポイント

 バランス型ファンドを選ぶ場合には次のポイントで比較していくといいでしょう。

■「新興国」・国内外の「不動産(REIT)」を対象にするかどうか
■ 債券投資割合がどれくらいか(低いほうがいい)
■ 投資対象を均等で割るものは避ける

 バランス型ファンドではなく、「世界中の株式を投資対象とするファンド」を選ぶという手もあります。たとえばeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)という投資信託をひとつ購入すると、日本もアメリカも新興国も、世界中の株式をおおむね時価比率で保有することになります。このファンドをベースにしつつ、「世界株ファンド+銀行預金」の組み合わせでリスク管理を調整していくといいでしょう

 投資信託は何本購入してもかまいませんが、本数が多くなると管理が煩雑になるという問題もあります。せいぜい数本程度にしておくといいでしょう(全世界株ファンド+日本株ファンドで、日本株への投資割合をちょっと高くするとか、バランス型ファンド+全世界株ファンドで株式投資比率を高めに引き上げるとか)。

<TEXT/ファイナンシャルプランナー 山崎俊輔>

1972年生まれ。フィナンシャル・ウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。確定拠出年金を中心とした企業年金制度と投資教育が専門。1995年中央大学法学部法律学科卒業後、企業年金研究所、FP総研を経て独立。著書『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』など

普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門

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