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人気つけ麺「大勝軒」社長がパワハラ?外食業界“深刻なハラスメント”の実態

ビジネス

 初めてのアルバイト経験は飲食店という人も多いのではないでしょうか。飲食店は学生がアルバイトを始めるきっかけになりやすく、店長も比較的若い人が働いていることが多いと思います。

大塚大勝軒

大塚大勝軒

 一方で外食業界では「ハラスメントの概念がない」「対策は皆無」「料理長から包丁をつけつけられた」など、いきすぎた言動が一部であるようです。

 人気つけ麺店「大勝軒」から暖簾分けした「株式会社大勝軒TOKYO」で起きたパワハラ事件の内容が衝撃だったことが注目を集め、多くのメディアでも取り上げられました。ハラスメント専門家の筆者(村嵜要@murasaki_kaname)が本件と外食業界に根付く深刻なハラスメントの実態について解説します。

大勝軒TOKYOの社長にパワハラ疑惑

 東京都内の人気つけ麺店「大塚大勝軒」元店長が、日常的にパワハラを受けていたとして、運営元の株式会社大勝軒TOKYOの社長に対し、慰謝料や残業代などを求めて提訴する事件が起きました。

 元店長は社長から蹴られたり、タオルを投げられたりするパワハラがあったと主張。「おまえもやってみろ」と言われ、自分のこめかみにスタンガンを当てさせられたり、ミスをした他の従業員に対しても、自らの顔にスタンガンを当てるように社長が強要し、「痛いというのは反省していない」などと発言している動画が残されています。

 元店長の1か月の残業時間は140~160時間におよび、残業代も支払われていませんでした。大勝軒TOKYO側は元店長の主張を全面的に否定していますが、裁判の行方が注目されます。

餃子の王将で「辞めさせない」パワハラも

つけ麺

※画像はイメージです(以下同じ)

 2013年には「餃子の王将」を運営する王将フードサービスで働く当時25歳の社員の男性が、長時間労働でうつ病を発症し、休職に追い込まれたとして、慰謝料などを求め、同社を提訴しています。

 男性は「退職させてほしい」と申し出ていましたが、「ここで王将を辞めたら逃げじゃないのか。逃げだったら辞めさせない」と店長が説得。辞めさせてもらえず、やむなく仕事を続けたことにより症状が悪化。仕事に復帰できなくなり、京都南労基署が労災認定しています。

 同社では2017年にも、広島県の店舗で勤務していた当時55歳の男性が、周囲からのパワハラなどでうつ病を発症し、労災認定されるという似たような事件も発生しています。このように外食業界では過去にもパワハラ事件が起きており、上司が精神論を持ち出して、部下を言いなりにするパターンが1つの特徴と言えます。

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