つくばと京都「東西の電気街」が相次いで消滅。“つくば消滅”には3つの要因が
ラオックス、サトームセンも撤退へ
それに対し、旧来の都市型店舗を中心としていた秋葉原系家電量販店は販売管理費が20%台であり、価格では勝負にはならなかった。そのため、秋葉原系家電量販店の多くは2000年代に買収や経営統合等で次々と消滅していった。
例えば、最盛期には秋葉原に8店舗、関東地方に60店舗強を展開していた「サトームセン」は2003年につくば電気街の店舗を閉鎖。2006年に「マツヤデンキ」(大阪市大正区)や「星電社」(神戸市中央区)と経営統合し、「ぷれっそホールディングス」(東京都港区)を設立したが、2007年にヤマダ電機がぷれっそホールディングスを子会社化。サトームセンの店舗は全店ヤマダ電機に転換され、法人格も2013年に消滅した。
また、秋葉原に本店を置き、1990年代につくば電気街の近接地に店舗を構えていた「ラオックス」(東京都千代田区→港区)は、最盛期には首都圏を中心に約100店舗を展開していたものの、競争の激化により2009年8月に中国の大手家電量販店「蘇寧電器」(現:蘇寧易購)の傘下となり、総合免税店に業態を変更するに至ったほか、後で詳しく述べる「石丸電気」も2006年にエディオンの傘下となり、2010年につくば電気街から姿を消した。
カスミ、コナン販売まで相次いで…
また、つくばの地場大手の家電量販店も「北関東YKK」との競争激化から、閉店や業態転換を図ることになる。
かつてつくば市内に本社を置き、地場大手食品スーパー「カスミ」のグループ企業だった「カスミ家電→ワンダーコーポレーション」(本社:茨城県つくば市→土浦市)は競争激化から2002年11月にケーズデンキと資本・業務提携し、ワンダーの家電部門を譲渡。CD・DVDや書籍、ゲームソフトの販売に特化した。このほか、同じくつくば市に本社を置き、東日本を中心にパソコン専門店を展開していた「コナン販売」(茨城県つくば市)は1998年4月に競争激化からパソコン販売から撤退、携帯電話ショップ運営に特化した。
このように、「北関東YKK」の成長によって「秋葉原系家電量販店」「地場大手家電量販店」は苦境に陥り相次いでつくば電気街から撤退、電気街衰退の直接的要因となった。