成長できない企業の病とは?人気マーケターが教える「企業価値」の高め方
企業にありがちな「決定できない病」
清水:企業にありがちな病名を聞いてもいいですか?
菅原:よくある大きい問題は、企業側の言葉でしゃべっていること。専門用語が多かったり、企業の理屈でしゃべっているんです。お客さんの言葉を使わなくなるのが、一番よくある大きな病かなと思いますね。
清水:企業側の押し付け病みたいな感じですね。今まで一番治療が難しかった病はなんですか?
菅原:やっぱり「決定できない病」ですね。「もっとこうしたらいいですよ」とか「それをやめましょう」と言っても決められない。会社を立て直すときに一番大事なのは何をやめるか決めることなんですよね。残業するほど一生懸命頑張っていてうまくいかないってことは何かやめないといけない。じゃないと新しいことができないので。
「価値」は「相手の変化の量」
清水:一度走り出したプロジェクトで先輩への気遣いとか、くだらない忖度とかそういうの含めてありますよね。
菅原:「あいつが悲しむから」とか、いろんなことが思い浮かんでやめられない病があって。例えばダイエットでも、運動だけじゃなくて食べる量を我慢することが大事なのと同じで抑えることも必要なんですよね。抑えたから時間が余ったり、新しいことに使える。やめられないというのは企業の大きい病だと思いますね。
清水:基本的には経営者としか話したくないかもしれないですけど、営業や製造担当など決定権がない人が「自分はコロナ禍でもなんとかしたい!」となったとき、そういう方はどのように仕事をやっていくと良いと思いますか?
菅原:Moonshotという今の会社を作るときに、いくつか言葉を作ったんですけど「価値」は「相手の変化の量」と決めました。だから、誰もいない無人島での僕には価値がありません。無人島に行って価値がないということは「人は人が周りにいてくれないと価値はない」と気がつきました。