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遊戯王、桃鉄、パワプロが好調のコナミ。盤石のゲーム事業でも残る“不安要素”

ビジネス

典型的なゲームメーカーと異なる

遊戯王

世界中で人気の遊戯王カード

 健全な状態での事業構造を分析するため、コロナの影響が少ない2020/3期の内容をみていきましょう。同社公表の決算資料によると各事業の中身は以下の通りです。

(1)デジタルエンタテインメント事業:1534億円・全体比58.4%
 コナミHDの中核を担うモバイルゲームや家庭用ゲームの開発、販売事業。モバイルアプリは「遊戯王」や「実況パワフルプロ野球(パワプロ)」、「プロスピ」などが好調で、家庭用ゲームも「パワプロ」が好調なほか「ウイニングイレブン(ウイイレ)」や「桃太郎電鉄」、「メタルギア」などを主力とする。カードゲームも同事業に含まれます。

(2)アミューズメント事業:237億円、全体比9.0%
 いわゆるゲーセン関連の事業。ゲーセン向けの機器を製造するほかオンライン接続サービスも提供。「GI優駿倶楽部」「麻雀格闘俱楽部」などがあります。パチスロ機器も同事業に含まれる。eスポーツも主催。

(3)ゲーミング&システム事業:284億円、全体比10.8%
 スロットマシンやカジノシステムの販売および運営を行う。北米、豪州を中心に世界各国で展開しアメリカではほどんどの州でライセンスを取得。IRリゾートの普及に期待。

(4)スポーツ事業:590億円、全体比22.5%
 コナミスポーツクラブや公共スポーツ施設の運営、関連商品の販売。自治体と提携し学校向けに水泳事業の指導も行う。高齢化に伴う健康志向の高まりで伸びる。

 以上のように、同社は典型的なゲームメーカーと異なり、多角的に展開していることがわかります。

牽引するのは、やはりゲーム事業

 近年の業績は順調に推移しています。2017/3期から2021/3期までの売上高、利益は以下の通りです。

【売上高】
2299億円→2395億円→2625億円→2628億円→2727億円
【営業利益】
364億円→452億円→505億円→310億円→366億円
【当期利益】
260億円→305億円→342億円→199億円→323億円

 売上高は増収が続いていますが、ずばりデジタルエンタテインメント事業の拡大によるものです。「遊戯王」のモバイル版が好調となったほか、カードゲーム自体もグローバル展開を進めました。「ウイイレ」「プロスピ」も積極的なCM広告によってモバイル版が伸長したようです。

 特にウイイレはオンラインモードの「myClub」が盛り上がりを見せており、これが毎年のリピート率を高めていると考えられます。各ゲームに関連した同社主催のeスポーツも年々活気を増しているようで、これが宣伝効果につながっているかもしれません。

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