ウォークマンは馬鹿にされていた?ソニー創業者の革新的アイディア
ウォークマンで世界に羽ばたいた「ソニー」創業者の信念
家電やオーディオビジュアル、ゲームといったデジタル機器において名を馳せる日本発の企業・ソニー。
その創業者の一人である盛田昭夫氏は、小型のカセットテーププレイヤー「ウォークマン」で世界に一躍その名を広めました。
ウォークマンが発売される以前、1970年代は大きめなサイズのポータブルテープレコーダーが人気でした。各社がしのぎを削る中、盛田氏は大きく扱いにくい製品が世に出回っていることから、電池式で録音機能を省いた再生専用のカセット製品を設計。
当時は、社員や専門家から「ばかげたアイデア」と揶揄されつつも、きっと人々はほしがるという思いを信じて行動したといいます。
やがて、1979年に発売されたウォークマンは2億5000万台以上を売り上げ、もっとも成功した個人向け電化製品として異例のヒットを記録。消費者にとって必要な機能だけに絞り、己を貫くといった姿勢は歴史を変えることになりました。
失敗を糧にしたアパレルブランド「リーバイス」の創業者
何かを実行しようとするとき、多かれ少なかれ失敗がつきまとうのも世の常かもしれません。失敗に怯えるがあまり二の足を踏んでしまうこともありますが、デニムのスタンダード・リーバイスの創業者であるリーバイ・ストラウスは、失敗をイノベーションの糧にした1人です。
ルーツとなるのは、アメリカがゴールドラッシュにわいていた1840年代。当初はサンフランシスコで、鉱山労働者に向けにテントを買い付けて販売していたストラウスでしたが、温暖な気候のために需要がなく満足な売り上げを確保できませんでした。
しかし、発想を転換させた彼は、分厚いキャンバス地のテントを断裁して鉱山労働者向けにズボンを作ろうと考案。やがて、当時の顧客であったヤコブ・デイヴィスが提案してきた縫製術を取り入れて特許を取得し、汚れても目立たない生地を青く染めた「ブルージーンズ」という定番のアイテムを作り上げました。
実行して形となり、アイデアは初めて具現化されます。ただ、思い浮かぶきっかけもさまざま。世界的に知られるイノベーターたちの歩みは、躊躇する私たちの背中をきっと押してくれるはずです。
<TEXT/カネコシュウヘイ>
参照:『いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデア』(ポール・スローン/TAC出版)