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コロナ感染の実態がわかる、報道されない“7つの数字”。感染者数だけではわからない

ビジネス

実は公表されていない数字がある?

 村上氏には、公表されていないが、公表したほうが良いと思っている数字があるという。

重症者数の増減は公表しますが、重症者数が減るときの中身が公表されていません。コロナの重症患者は、最後はECMOに繋がれるわけですが、そこから回復するか亡くなるか、2週間から1か月ぐらいかかります。重症者が減ると回復したと希望的観測で捉える方が多いと思いますが、実は結構な割合で亡くなっている。国民に厳しい現状を理解してもらうために、内訳を公表したほうがいいと思うんです」

 データは客観的な数値だが、リテラシーが高ければ得られる情報は多くなり、リスク判断の材料も増える。センセーショナルな数値に踊らされず、立ち止まって考えることが重要だろう。

総死者数の大幅増は医療崩壊の指標

大脇幸志郎氏

大脇幸志郎

「対策は変わらないので、個人が数値を気にしても仕方ない」

 医師でライターの大脇幸志郎氏は、数字に踊らされることには慎重になるべきという立場だ。だが、そんな大脇氏でも「ある数字」には注目しているという。それが、すべての死因を含む死者数の推移だ。

「実は、一昨年までは高齢化の影響もあって毎年2万人ずつ増えていたのですが、昨年は前年比で一気に9000人も減った。これは、本来なら死んでいたであろう人が、コロナ禍で寿命がむしろ引き延ばされたと考えていいでしょう。つまり、その反動で今年は『繰り越し』で生き永らえた人たちが多く亡くなっているのではないか。この数字に、コロナによる死者や医療の負担がどこまで反映されているかはまだわかりませんが、今後も注視していく必要がある」

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