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コロナ感染の実態がわかる、報道されない“7つの数字”。感染者数だけではわからない

ビジネス

これまでの伝え方でいいのか?

 そういった懸念があってか、報道では30代以下の死亡率が0.00008%と低いことには触れず、若年層の感染者増、まれな重症化や死亡例が大きく扱われている。

「それでは恐怖訴求になってしまうので、これまでの伝え方でいいのか議論はあると思います。一方で、厚労省が30万人のデータから重症化因子の有無で致死率を求めた数値は、感染防止の参考になるデータです」

【重症化リスク因子がない40代のコロナ陽性者の致死率=0.061%】
糖尿病、高血圧症、腎臓病、 悪性腫瘍、肥満などの重症化リスク因子がない40代陽性者の致死率。4月1日~7月22日

解釈次第で逆の意味にも

医療現場 看護師

 40代の重症化リスク因子がある人では致死率が0.2%と3倍に跳ね上がり、重症化リスク因子が2つ、3つと増えていけば、致死率も上がっていくことが数値ではっきりと示された。65歳以上の高齢者では因子が1つもなくても致死率が4.62%と高く、新型コロナウイルスが高齢者にとっては非常にリスクの高い感染症であることを示している。

「生活習慣病などの重症化因子を持った人は、日本国内では、6、7人に1人ほどいます。糖尿病や高血圧の人は薬できちんとコントロールをする、肥満の方はダイエットをするなどで、リスクを減らせると考えられます」

 ワクチンに関する数字では、接種後の副反応疑い死亡報告数1002人という数が、SNSで反ワクチン派の格好の材料として使われた。

「これは一番誤解を受けやすい数字です。副反応疑いでは、接種後に起きた好ましくないことは因果関係にかかわらずすべて報告されます。たとえば、私がワクチン接種後に、おならが臭くなって、それを医師に訴えたら副反応疑いに含まれてしまうものなんです(笑)。死亡者について年代別、基礎疾患別のデータを見たのですが、基礎疾患がある80代が一番多く、ほぼ平均寿命、日本人の主な死因と重なります」

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