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肉食のほうが穏やかな性格に?精神科医が教える「脳の健康にいい食事」

学び

肉を食べたほうが穏やかに過ごせる

牛肉 ステーキ

 セロトニンという脳内物質があります。このセロトニンが不足すると、落ち込んだり、イライラしたり、気分が不安定になりやすくなります。セロトニンの原料になる物質が、トリプトファンというアミノ酸です。

 肉類に豊富に含まれており、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中では一番量が少なく、不足しやすいのです。ですから、肉類を比較的多く摂取することで、トリプトファンを効率的に補充することができます。

 また、トリプトファンをセロトニンに合成するためには、葉酸、鉄なども必要になります。葉酸は野菜やレバー、鉄分は赤身の肉類、レバー・魚介類に豊富に含まれています。ただし、肉類には悪玉コレステロールが比較的多く含まれていますので、摂りすぎには注意しましょう。

 たんぱく質の摂取が少ないと、イライラしたり、落ち込んだり、気分変動が激しくなります。たんぱく質が豊富に含まれている肉類、魚介類、卵類、大豆製品をバランスよく摂取することが必要です。特に豆腐はたんぱく質が豊富でありながら、糖質や脂質は少なめで、おすすめの食材といえます。

<TEXT/精神科医 伊藤拓>

◎参考文献
『ボケたくなければ「奥歯」は抜くな』(山本達生、青春出版社)
『こころに効く精神栄養学』(功刀浩、女子栄養大学出版部)

精神科医。昭和39年、東京都西東京市出身。東京大学理科二類(薬学部)卒業後に医師を目指し、横浜市立大学医学部医学科に再入学。卒業後に内科研修を1年履修した後、精神科に興味を抱き、東京都立松沢病院で2年間研修する。平成5年に医師免許、平成10年に精神保健指定免許を取得。現在、大内病院副院長。 精神科医としてこれまでの26年間でのべ5万人以上を診ている。統合失調症、気分障害(躁うつ)、軽症うつ病の分野で高い評価を得ている。近著に「精神科医が教える 後悔しない怒り方」(ダイヤモンド社)

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