肉食のほうが穏やかな性格に?精神科医が教える「脳の健康にいい食事」
肉を食べたほうが穏やかに過ごせる
セロトニンという脳内物質があります。このセロトニンが不足すると、落ち込んだり、イライラしたり、気分が不安定になりやすくなります。セロトニンの原料になる物質が、トリプトファンというアミノ酸です。
肉類に豊富に含まれており、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中では一番量が少なく、不足しやすいのです。ですから、肉類を比較的多く摂取することで、トリプトファンを効率的に補充することができます。
また、トリプトファンをセロトニンに合成するためには、葉酸、鉄なども必要になります。葉酸は野菜やレバー、鉄分は赤身の肉類、レバー・魚介類に豊富に含まれています。ただし、肉類には悪玉コレステロールが比較的多く含まれていますので、摂りすぎには注意しましょう。
たんぱく質の摂取が少ないと、イライラしたり、落ち込んだり、気分変動が激しくなります。たんぱく質が豊富に含まれている肉類、魚介類、卵類、大豆製品をバランスよく摂取することが必要です。特に豆腐はたんぱく質が豊富でありながら、糖質や脂質は少なめで、おすすめの食材といえます。
<TEXT/精神科医 伊藤拓>
◎参考文献
『ボケたくなければ「奥歯」は抜くな』(山本達生、青春出版社)
『こころに効く精神栄養学』(功刀浩、女子栄養大学出版部)