『科捜研の女』現場は驚き。石井一彰が影響を受けた“男性俳優”2人の存在
ツラかった1年目の「レ・ミゼラブル」
――石井さんは、来年でデビューから15周年を迎えます。ここまで続けてこられた原動力になっているものを教えてください。
石井:いまはコロナ禍なので難しいところもありますが、舞台では公演が終わったあとに出待ちしてくださるファンの方々と接する機会があるので、応援してくださる方の姿を見ると、どんなに疲れていてもがんばろうと思えます。それが僕の存在意義と言いますか、モチベーションの大部分を占めているところです。
――とはいえ、これまでを振り返ってみて、つらかった経験もありますか?
石井:一番は、僕のデビュー作でもある「レ・ミゼラブル」のときですね。養成所に1年間通ったものの、実力も含めてすべてが劣っていることを痛感。とにかく失敗しまくりました。
しかも、公演はロングランでしたので、長期間にわたって悩みながら揉まれ続けることに。でも、いま振り返ると、いろいろ失敗ばかりする時期があってよかったなと思っています。そういった経験から、「無意味な失敗はない」というのを学びました。
20代で学んだ「無意味な失敗はない」
――それでは最後に、20代の頃の石井さんと同じように悩んでいる読者に向けて、アドバイスがあればお願いします。
石井:ひとりで思い悩んでいると前に進めないこともあるので、周りで助けてくれる人に頼ってみるというのはアリだと僕は思っています。もちろん、自分ひとりで解決するのもかっこいいですけど、結局ひとりでは生きていけませんから。
それに、失敗して落ち込んでいると、普段できていたことまでできなくなってしまうことってありますよね? そうなるよりも、家族や仲間に話を聞いてもらったり、アドバイスをもらったりするほうがいいんじゃないかなと。「ひとりで閉じこもらずに、周りの人たちを拠り所にするのもいいんだよ」と伝えたいです。
<取材・文/志村昌美 撮影/市村円香>