上場前のベンチャー株を買う方法があった!海外では1900%の投資リターンも
倒産リスクは一般企業の3分の1程度
ただし、大きなリターンが望める分、当然リスクもある。向井氏が語る。
「投資した企業が倒産すると出資金は返ってこないので、元本がゼロになる可能性もあります。ただ、登録する企業の審査も厳しく行っており、倒産件数は一般企業よりも低く抑えられています。
2020年初時点の当社調べですが、東証一部上場企業の倒産件数を1とすると、ファンディーノで資金調達している企業が倒産した割合は上場企業の約24倍。一般の中小企業が倒産する割合が上場企業の約70倍なので、倒産リスクは一般企業の3分の1程度と見積もることができます」
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<クラウドファンディングの成功例>
【琉球アスティーダ】2021年3月上場。約1.5倍に ■調達資金2250万円(2019年12月)
沖縄県に本社を構え、卓球のプロチームやスポーツバルを運営。2018年に設立された会社にもかかわらず、株式投資型クラウドファンディングで資金調達に成功し、上場した日本初の企業。プロスポーツチームの上場も日本初
【漢方生薬研究所(現・ハーバルアイ)】2019年6月バイアウト。約1.5倍に
■調達資金2925万円(2018年1月)
予防医療や体質改善に特化した商品を開発・販売。DNA解析キットで「糖質代謝」「タンパク質」「脂質代謝」のリスクを調べ、効果的な漢方やサプリを選ぶことができる商品を販売するなど、予防医療や体質改善に注力
【クロスロケーションズ】ファンディーノ最高額を調達
■調達資金9900万円(2021年6月)
位置情報ビッグデータをAIで分析することでさまざまな課題を解決するためのテクノロジーを開発する企業。近年ではコロナ禍における特定地域への人流の変化を計測するために、同社の技術が多く活用されている
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株式投資型クラウドファンディングの狙い目とは
上場企業に比べて情報が少ないベンチャー企業。投資する際に注目すべきポイントを前出の井澤氏に聞いた。
「私の場合、業績や商材ももちろんですが、まずは社長を見ます。よくも悪くもベンチャー企業は社長の熱意や手腕が会社の成長に直結することが多いため、SNSやインタビュー記事で人となりを見てから投資します。いわば、人に投資するような感じですね」
企業を応援しながら、利益も期待できる株式投資型クラウドファンディング。「今後、加速的に発展する可能性もある」と井澤氏は話す。
「株式投資型クラウドファンディングはまだ歴史も浅く、利益が出た件数も多くありません。しかし、『ベンチャー企業は起業から8~10年で上場することが多い』という通例に鑑みると、今後5年くらいでどんどんエグジットを達成する企業が出てきて、リターンが発生するケースが増えるはず。そうなれば、仕組みは急速に普及していくと思われます」