コロナ苦境の地方百貨店、テナント撤退が相次ぐも「個性的な地場店舗」が続々
「地域密着」で生まれ変わる百貨店
かつての百貨店といえば、大手・地方ともに「オンワード」や「レナウン」などの手による画一的なアパレル店や化粧品ブランドを導入することが多かった。しかし、こうした「画一的なブランド」ほどコロナ禍のなか経営規模の縮小を迫られており、さらに縮小のターゲットとなった店舗の多くは「地方百貨店」に出店するものであった。
コロナ禍により変化を迫られることになった百貨店は、今まで以上に「地元との繋がり」を強め、そして「ここだけにない商品」や「地域住民が求めている商品」を集めた店舗へと生まれ変わりつつある。
これまで例を挙げた百貨店以外にも、北東北に展開する「さくら野百貨店」などのように大手アパレルの店舗跡を活用して地場産品の取り扱いを増やすことで「地域の隠れた名品」の発掘に挑もうとする百貨店が全国各地に登場している。
コロナ禍による苦境が続くなか、たとえ新店舗が出店したり、新たな売場を設けたとしても大々的に宣伝できない百貨店もあろう。ひょっとすると、あなたの街の百貨店もこっそりと「進化」を遂げているかも知れない。
<取材・文・撮影/都市商業研究所 若杉優貴>