職場で「さみしさ」を感じたときの対処法。現役和尚が説く
新卒であれ、中途であれ、新しい環境にあって、なかなか人とうまく交流できず、「さみしさ」を感じている人がいます。また、人事異動などで、せっかく慣れ親しんだ仲間を離れなければならないこともあります。
異動は、組織にとって、人材に経験を積ませたり、新しい風を吹かせたり、欠員を埋め合わせたり、不正を防いだりと、必要で欠かせない施策です。しかし、ツラいのは、入社した、あるいは異動した先の新しいチームに馴染めないことではないでしょうか。もしそこに、合わない人、嫌いなタイプの人がいたとしたら、こんなストレスはありません。
人とうまく交流するためのコツ
仏教では、このような「会いたくない人に会わなければならない苦しみ」のことを、「怨憎会苦(おんぞうえく)」と言います。仕事ですから、会いたくない人に会いたくないからという理由で、会わないわけにはいきません。せめて少しでも、怨憎会苦を和らげることはできないのでしょうか。
怨憎会苦を和らげるにはコツがあります。そのコツをお伝えする前に、前提として知っておいて欲しいことがあります。それは、私たち動物は、敵に遭遇すると、「逃げるか、戦うか」のどちらかの反応をするということです。しかしながら、サバンナと違って、現代の職場では、逃げても、戦っても、根本的な問題解決にはなりません。
では、どうするか。「怨憎の本質を見極めて、超える」のです。具体的な手順は、次の通りです。
ステップ1:怨憎の発生源を見極める
怨憎の本質を見極めるコツは、自分を冷静に観察することです。怨憎は、自分の心に沸き起こる感情です。人間ですから、好き嫌いを感じるのが、悪いわけではありません。むしろ自然なことです。
しかし、そこで一歩深く踏み込んで、自分の心を観察してみると、怨憎が、イヤな相手の身口意(外見、言葉、考え方)のいずれか、いくつか、もしくは全部気に入らない、という理由によって、起こることがわかります。
誰かの身口意に対して、自分の心が拒否反応を示し、騒ぎ立てる。それが怨憎の正体なのです。