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入社1年目こそ「じっくり読書」するべき理由。ハーバード留学で知った大きな学び

学び

効率的な読書には移動時間&ラインマーカーの活用

書籍

『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)

 以下は2018年に発売した『入社1年目の教科書 ワークブック』で紹介した『入社1年目の教科書』の読者から寄せられた疑問や質問です。「読書」の問題について、著者として回答していますので、以下にその抜粋を紹介します。

Q:じっくり読書する時間がありません。どうやって時間を捻出すればいいのでしょうか?

岩瀬大輔(以下、岩瀬):旅に出ましょう(コロナが収束したら)。飛行機や新幹線など、長い移動時間があると、意外と読めるものです。通勤時間にスマホを触らないと決めれば、往復で1時間から2時間が読書の時間になります。

Q:精読すると、どこまで読んだかわからなくなり、また戻って同じところを読むという繰り返し。なかなか前に進みません。

岩瀬:私が最近やっているのは、難しい日本語、わからない英単語にラインマーカーを引くという作業です。わざわざ辞書で調べることはしないのですが、それを見ればどこまで読んだかがわかります。気になった文に線を引くのもいいかもしれません。

本の理解には“斜め読み100回”

時間 仕事

Q:昔の人の書いた本の文体が苦手です。理解するのが大変なので、スムーズに頭に入れるコツを教えてください。

岩瀬:何回も音読すれば、そのうち慣れます。しかし、慣れる必要もないかもしれません。文語体に興味があって克服したい人はそうすればいいと思いますが、内容にだけ興味がある人は現代語訳を読みましょう。わざわざ文語体に挑戦しなくてもいいと思います。

Q:難しい内容の本は、何回読めば理解できるようになりますか?

岩瀬:4回から5回というのが私の実感です。学生時代は司法試験を受けるために法律書を読みましたが、当然ながら1回で理解できたわけではありません。感覚的には「斜め読み100回」で理解した感じでしょうか。時間をかけてじっくり1冊の本を読む。この意味を誤解している人が多い気がします。

 じっくりというのは、最初から一字一句ていねいにすべての文章を読むという意味ではなく、いつも手元に置いておいて、何回も何回も開くという意味です。本は読み手の状況や感情によって姿を変えるものです。はじめて読んだときに興味が湧かなくても、次に読むときに興味が湧くこともあります。今興味がなかったら、無理に興味を持つ必要はありません。そのときの感覚に素直に任せればいいのです。

<TEXT/ライフネット生命株式会社創業者 岩瀬大輔>

ライフネット生命保険株式会社創業者。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げ、2013年より代表取締役社長、2018年6月より取締役会長に就任。著書は『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)など多数

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