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入社1年目こそ「じっくり読書」するべき理由。ハーバード留学で知った大きな学び

学び

 突然ですが、最後に本を読んだのはいつですか?“読書は一流ビジネスマンを育てる”と言われています。本から知識を吸収することで発想力が高まり、若いうちからでも、仕事のクオリティを上げることができるのです。

読書

※画像はイメージです(以下同じ))

 そんな若い世代のビジネスマンから支持されている一冊が『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社)。10年前の本ですが、コロナ下で50万部を突破。担当編集者の和田史子氏は「リモート研修や自宅学習に最適な『仕事の教科書』として、多くの企業で採用された」と再注目された理由を語ります。

 今回は『入社1年目の教科書』の著者であり、ライフネット生命保険株式会社創業者の岩瀬大輔氏が「じっくり読書すべき理由」について解説します(以下『入社1年目の教科書』から抜粋・再編集)。

読書とは1冊の本をじっくり読むこと

「読書は、著者との対話である」。ライフネット生命創業者の出口治明氏がよく口にしていた言葉です。話しているときに、自分の話を聞き流されたり無視されたりするのは、誰だって嫌なはずです。ゆったりと向き合って、じっくり何度も何度も読むべきだというのです。

 僕もその考え方に同意します。濫読(らんどく)が嫌いで、読むと決めたらじっくり何度も読む習慣が身についています。現代は多くの人が速読を推奨していますが、僕はその立場に与することはできません。本を読むこと自体が目的ではないので、5冊速読するくらいなら1冊の本をじっくり読むべきだと思っています

 じっくり読む価値のない本は、読まなければいいのです。「古典を読んで理解できなかったら、自分がばかだと思いなさい。新しく書かれた本を読んで理解できなかったら、作者がばかだと思いなさい」。

 古典は、時代の試練を耐え抜いて継承されてきたものです。含蓄を汲み取り、深く理解すべきものだと思います。しかしながら、新しい本を手にして理解できなければ、それは本を書いた著者の責任だと考えて構いません。

じっくり読める本に出会うまで多くの本を読む

書籍

岩瀬大輔『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社)

 お金に余裕があれば、ある分野に関する本を20冊ぐらい「大人買い」してみるといいでしょう。本の冒頭を読んでつまらなければ、読まなくていい。どんどん捨ててしまってください。できれば、そのお金は惜しまないでください。

 どうしてもお金をかけたくなければ、立ち読みや図書館を利用してください。そして、じっくり読める本に出会うまで、そのサイクルを早く回していくのです。

 フィットネスクラブに入会しようと考えたとき、立地、営業時間、雰囲気、風呂、インストラクター、機材など、様々な要素を吟味して選ぶものです。一度入会しても、気に入らなければほかのクラブに替わるのが普通でしょう。

 本もまったく一緒です。自分にしっくり来るもの、しっくり来ないものがあると思います。しっくり来るものが見つかるまで探してください。見つからなければ、いくらでも替えればいいと思います。

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