現代人が抱く「孤独感」を手放す、4つのステップ。現役和尚が教える
新型コロナウィルスのパンデミックで、自粛生活が長引いたことから、孤独感を抱える人が増えています。日本に限らず、世界中で「孤独=ロンリネス」が問題となっているのです。
以前から、中高年の孤独は、問題として取り上げられていましたが、今、若い世代にも、孤独が広がっているといいます。孤独は、たんに「寂しい」だけでは終わりません。長引く孤独感は、確実に私たちの心身を蝕み、生活や人生の質を大きく下げてしまうことにも繋がります。その結果として、鬱や引きこもり、自死さえも、決して他人ごとではないのです。
若い世代を追いつめる、孤独の恐ろしさ
米ブリガム・ヤング大学のジュリアン・ホルト・ランスタッド教授によれば、「孤独は1日15本以上の喫煙や、アルコール依存、肥満よりも健康リスクが高い」「孤独な人は、そうでない人に比べて、早期死亡リスクが50%も上昇する」といいます。
孤独がそこまで健康に悪影響を及ぼす理由は、人間が社会的動物であるため、孤独を本能的に避けようとする防御機構を備えているから。空腹を感じると食べ物を求めるように、孤独を感じると、その状況を逃れようとして身体が反応し、ストレスホルモンが過剰に出て心身に悪影響をもたらす、というのです。
興味深いのは、心身を蝕む孤独感は、家族がいるとか、仕事をしているとかには関係なく、自分が求める人間関係の質と量が満たされているかどうか、によるという点です。
周囲に人がいないこと「=孤独」ではない
世界の人口は77億人を超えました。日本では少子高齢化が進んでいるとはいえ、決して広いとは言えない国土の中に、1億を超える人が住んでいます。しかも大半の人が、決して広いとは言えない都会に、集中して住んでいます。どうやら、周囲に人がいないから孤独になる、というわけではなさそうです。
私は6年前、YouTubeで「大愚和尚の一問一答」という、悩み相談番組を配信し始めました。現在までに34万人以上の方々が登録し、1800人以上の方々が回答待ちをしておられます。日々番組に届けられる、相談メールや手紙には、「独りの寂しさ」を訴えるものが少なくありません。
その中には、誰とも関わらない、孤立した生活をしているわけではなく、関わる家族がいながら、勤める会社や、所属するコミュニティーがありながら、強烈な孤独感を感じている人たちがいるのです。