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42歳女性課長、部下をうつ病に追い込む「パワハラ説教」の異常

学び

「少しでもミスを出したり、報連相ができていないと『なぜ、こうなったの?』『なにがダメだったの? 理由を具体的に説明して』『次はどう対応するべきなの?』と詰問が始まります。少しでも言い訳をすれば、こちらの至らない点を見つけてヒステリックに論破してきます」

「少しでもミスをすると叱責が始まる」という恐怖で常にビクビクしながら仕事をするようになり、優太さんは次第にメンタルを病んでいったそうです。

そして、とうとう休職に追い込まれる……

鬱病

 優太さんは不眠症となり、心療内科に行ったところ「うつ病」と診断されて休職に入ります。激務と心労で体重も5キロ落ちていたそうです。

「休職が決まった日に会社で荷物を整理していたら、M課長がやってきて『あなたは自分自身に負けたんだからね!』と言い放ちました。『この状況でそんなこと言うなんて、狂ってるな』と思いましたね」

 そして休職に入って数か月後、優太さんは驚きの事実を知ります。

「『M課長が退職をしたよ』と同僚から連絡がきたんです。まさかあの人が!? と驚きでしたね」

M課長の退職の理由とは

「同僚によると、私が休職に入りM課長のターゲットが別の子に変わったのですが、その子が『M課長をパワハラで訴える』と会社に訴え出て問題になったそうです」

 その結果、内部監査機関が調査にのりだし、M課長の今までの行為が明るみに出ます。

「人事から厳重注意を受け、課長職も外されたそうです。ただM課長としては注意されたことにも、役職を失ったことにも納得がいかず、監査役・人事と大げんかをして、最終的に解雇ではなく退職したと聞きました」

 最後までたくましいM課長です。

「今思えば、M課長は完全にパワハラ上司だったんですけど、当時は泣き寝入りするしかなかったんです。体と心がボロボロに壊れる前に『逃げる』という選択をした自分は正しかったと思います」

 優太さんは体調も良くなり、職場に復帰。現在は楽しく働いているといいます。

<TEXT/瀧戸詠未 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

フリーライター。教育、ビジネスを中心に記事を執筆中。お酒と食べ歩きとひとり旅が趣味

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