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入社0日で辞めた人も。新卒1か月で退職するZ世代の本音

学び

入社0日で辞めた人も

 入社0日で辞めた人もいる。慶応大を卒業した昨年春、コンサル会社に入社する予定だった山内雄介さん(仮名・23歳)だ。入社前の課題に手をつけられず、そのまま自宅で入社式の時間を迎え、一度も出社せず退職に至った。

新卒1か月退職組

「就活をする覚悟も、しない覚悟もなく、中途半端な気持ちで内定が出ました。ウーバーイーツは他の仕事と比べれば楽しくなくはない」(山内さん)

「鬱っぽくて病院に2か月ほど通い、調子がよくなってからは、いくつか短期バイトをして食いつないでいました。今年からは友人に勧められてウーバーイーツをやっています。週5日稼働して、月収は約30万円。チャリを運転するのは命を削っている感じがありますが、でもそんなスリルを味わっている自分もいますね。斜め横断や信号無視も当たり前にやるようになって『気をつけろよ!』とキレられたことは何度もあります」

 決して、正社員への道を諦めたわけではないそうだ。

「一度は正社員で就職すべきだろうなとは思っています。僕みたいなナイーブな人間は特に。でも、もう新卒の会社よりいいところに入れる気がしなくて、もったいなさと悔しさみたいなものはあります」

職場や会社に問題があることも少なくない

 早期離職の原因は職場や会社に問題があることも少なくない。

 ’19年に女子短大を卒業し、高級美容サロンに入社した花田玲美さん(仮名・22歳)は、エステティシャンの資格を得る講習費などが天引きされる結果、手取りの給料が6万円台になることが判明。入社前の説明もなく、「とても生活できない」と1か月で会社を去った。

「今は学生時代に働いていたマックでフリーターしながら、週1回ほどのペースでチャットレディをやってます。1回やれば2万~3万円になるので、お金がある程度貯まったら、もう一度エステティシャンとして就職したいです」

 苦労人の道を歩む例が多いなか、早期退職を糧に転職を成功させた人もいる。’18年に有名私大を卒業し、ITメガベンチャーに就職した森谷太祐さん(26歳、@taisukemoritani)だ。

「新入社員研修では研修の意図が理解できなかったり、提出した課題に対してのフィードバックも結構厳しく、入社して2週間がたった時点で自分には合わないと感じていました」

 転職エージェントに相談しにいくと仕事を続けることを勧められたが、自由な生き方をする周囲の影響もあり、入社23日で退職

「エージェントに『履歴書出しても1割しか通らない』と忠告されても、就活時は9割以上通っていたので信じられなかったんですよ。そしたら本当に30社中3社くらいしか通過しなくて、日本の就活って残酷だと痛感しました」

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