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「春は嫌いだ」100人に1人が抱える吃音症。4人の当事者たちの声

暮らし

社会に出てから約半数が「社交不安障害」に

吃音症

 幼児期には20人に1人が吃音。自然になくなる人もいて、全体では100人に1人の割合だ。

 学生時代は自己紹介や国語の朗読に苦労する吃音の人たちは、社会に出てからも電話対応や接客に悩み、約半数が二次障害として「社交不安障害(SAD)」を併発すると、前出の菊池氏は指摘する。

「SADは、日本人の10人に1人が当てはまり、人前に出ると恐怖心から心拍数が増加し、動悸、赤面、発汗、震えなどの症状が出る。吃音の人が言いやすい言葉やできるだけ話さなくていい場面を選ぶようになると、行動範囲は狭くなり、SADが深刻になります。吃音が出ないようにコントロールしているつもりでも、実は吃音によって行動が支配されている。あがり症、極度の緊張、対人不安を抱えている人なども、何より自分の話したい気持ちを大切にしてほしい」

 自己紹介のあり方が問われる。

<取材・文/ツバキング 遠藤光太 村田孔明 写真/PIXTA>

【菊池良和】
吃音ドクター・医学博士・耳鼻咽喉科医師。九州大学医学部卒。著書に『ボクは吃音ドクターです。』(毎日新聞社)、『吃音の世界』(光文社新書)など多数。Twitter@kiku618

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