「キャンドゥ」がコロナ特需で業績好調。“百均だけじゃない”強さの理由
有価証券報告書などからみえる現場
では、現場の雰囲気や働きやすさはどうでしょうか。今回は有価証券報告書・公式サイトの情報・各種判例などからその姿に迫っていければと思います。
まず、2020年11月期の有価証券報告書を確認しました。キャンドゥの平均年収は442万円です。連結の従業員数が605名、提出会社のみでも592名となっており、「グループ全体の給与水準」と言って差し支えありません。令和元年の「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は436万円となっており、「日本の平均並み」と判断できます。
この日本の「平均並み」という状況は初任給にも表れており、採用サイトに書いてある2015年4月の初任給実績は「大学院・大学卒200,000円、短大・専門卒190,000円」でした。
参考として、初任給についての調査は民間シンクタンクである「産労総合研究所」が行っており、2020年度は「大学卒(一律)209,014円、専修・専門技術学校卒(2年制)186,490円」です。比較するとほぼ同じだということがわかります。
労働組合の存在感が大きい
続いて、判例を確認しましたが、目だった判例はありませんでした。特筆すべきこととしては、「障害者雇用事例リファレンスサービス」にてキャンドゥの事例が「モデル事例」として紹介されていることです。
このモデル事例執筆時点が2007年と多少古いものですが、雇用条件も、
・障害者は時給制の準社員としての処遇
・全員が常用労働者として社会保険および労働保険にも加入。休日の取得はシフト制
・就労時間は週40時間のフルタイム勤務が原則であるが、採用直後は週30時間から40時間の間で短時間勤務に就くことも認められる
・時給については最低賃金を上回る水準(モデル事例より抜粋)
となっており、不当に低いというようなことはありませんでした。また、労働組合の存在感が大きいのも特徴と言えるでしょう。「キャンドゥユニオン」という労働組合が存在し、採用サイト・有価証券報告書にもその旨記載があります。