パワハラ被害者が語る対処法「隠し録音、メール…まず記録を集めて」
弁護士費用はどのくらいかかった?
――なるほど。企業も弁護士に要求されたら対応せざるを得ませんね。
村嵜:そうなんですよ。私も弁護士を通して交渉したら、会社が示談交渉で早期に解決したいと言ってきました。
――ちなみに、弁護士費用はどれくらいなんでしょうか?
村嵜:私は着手金を払うタイプだったんですが、着手金は10万円くらいで済みましたよ。
一番危険なのは、何もせずにいること
――逆に、ハラスメントへの対処で一番やってはいけないことはありますか?
村嵜:一番危険なのは、何もせずにいることですね。現状では、ほとんどの方がこれを選んでしまっています。我慢を繰り返していると、いつの間にか正常な判断ができなくなり、理性を失ってしまう。そしてある日突然、「もうどうでもいいや」という気持ちになって、自殺してしまうケースもあります。
――何もせずにいると、精神的に追い詰められてしまう。
村嵜:そうです。どうしても精神的に耐えられない場合は、つらいかもしれませんが、その会社は退職しましょう。やっぱり健康あっての毎日です。体を壊してまで無理する必要はありません。
――おっしゃるとおりだと思います。
村嵜:精神的につらいときは心療内科に1度行っていただいて、診断書をもらってください。抵抗があるかもしれませんが。最近は診断書があると、パワハラなどによる精神障害が労災認定されやすくなっています。
また診断書があれば、一定の条件を満たしていると傷病手当金の申請もできます。給料の約6割ぐらい保障されるので、どういう展開になったとしても、診断書はかなりの武器になります。