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日銀のETF買いルール変更で上がるお宝株8銘柄。リクルート、紀文食品etc.

コラム

海外投資家の保有比率の多い銘柄が有利

 窪田氏は「上がるも下がるも海外勢次第のマーケットに戻る」と予想する。

「もともと東京株式市場は海外投資家の影響が大きく、海外勢が買えば上がり、売れば下がる傾向が過去データではっきり確認できます。しかし、日銀がETFを大量に買うようになったここ数年、例外的に海外勢の影響が小さくなっていたのです」

 となれば、海外投資家の保有比率の多い銘柄が有利になりそうだ。

自転車部品メーカーで世界最大のシマノは海外年金などの人気が高く、海外勢の保有比率は5割近い。日銀の買い支えが減るため短期的には急落も発生しやすいが、この手の銘柄が下げた場面では、海外マネーの押し目買い注文が入ってきそう」(大神田氏)

 日銀の日経平均型ETF買い終了で、新たなチャンスが来そうだ。

日銀ETF買い変更で上がる株

加藤製作所(東証1部・6390)
東証1部の小型株。クレーンやショベルカーなど建設機械を製造する。時価総額は130億円と新TOPIX採用基準をぎりぎりクリアしている。台風など大規模な自然災害の後には短期的に急伸することもある

筑波銀行(東証1部・8338)
茨城・千葉県が営業エリアの地方銀行。マイナス金利に負けず昨秋は業績予想を上方修正。時価総額は140億円と小さいが、新TOPIX採用基準をクリア。政府が推進する地銀再編でしばしば話題になる銘柄でもある

東邦亜鉛(東証1部・5707)
亜鉛など非鉄金属大手だが、時価総額は300億円台と東証1部では小粒の部類。日銀の保有分は2割を超えているとみられ、浮動株は少ない。コロナ終息後の世界的な経済活動正常化による業績拡大も期待される

アドバンテスト(東証1部・6857)
半導体検査装置で世界首位級。総発行株式のうち日銀保有分はすでに4分の1を突破し、市場に出回る浮動株は枯渇寸前。日銀は日経平均型ETF買いを停止したが、TOPIX型ETF買いによる株高効果は残りそうだ

紀文食品(東証1部・2933)
4月13日に東証1部に直接上場。ちくわやかまぼこの大手。全国に販路を持ち、業績は安定的に推移している。5月末にTOPIX型ETFの運用業者による買いが入る予定。自社製品による株主優待も期待される

千代田化工建設(東証2部・6366)
プラント大手の一角。海外案件の巨額損失で経営危機に陥って東証2部に降格されたが、現在は再建が進み1部復帰の有力候補。温暖化ガス削減対策で注目される天然ガス精製向けに強い。水素関連株としても注目される

シマノ(東証1部・7309)
自転車部品の世界最大手。コロナ感染リスクを嫌った欧米の自転車需要の高止まりから業績の底上げが予想される。海外株主による保有比率が45%(会社四季報による)と高く、海外勢の日本株買い再開の恩恵が大きい

リクルートHD(東証1部・6098)
日経平均の非採用銘柄のうちキーエンスと並びTOPIX構成比が大きい銘柄のひとつ。株価急落時のTOPIX型ETF買いの影響大。本業の人材関連ビジネスはコロナ流行下でも底堅く、2月に業績を上方修正したほど

※株価などのデータは4月16日時点

<取材・文/SPA!日銀取材班 図版/ミューズグラフィック>

【大神田貴文】
株式ジャーナリスト。国内大手証券会社などを経て現職。マーケット情報に精通し、個別企業の裏情報を知るだけでなく、日銀の内部事情にも詳しい

【窪田真之】
楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト。大和住銀投信投資顧問などを経て現職。日本株ファンドマネジャー歴25年、1000億円以上の大規模運用で好実績をあげた

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