日銀のETF買いルール変更で上がるお宝株8銘柄。リクルート、紀文食品etc.
すでに購入したETFは売却の検討すらせず…
日銀がETF買いの注文を出すと、信託銀行は証券会社に集めさせた株式をまとめてパッケージ化し、ETFと名づけて日銀に渡す。
「ところが日銀の買いすぎで市場に出回る株式が減り、2019年頃から株集めの難航が噂されていたのです。例えば500億円を買う際、TOPIX型は約2100銘柄なのに対し日経平均型は225銘柄しかないので、1銘柄当たりの購入額は日経平均型のほうが大きくなり、ETFに組み入れる株を集めにくかったのです」(大神田氏)
ただし日銀はETF買いを全廃したわけではない。株価急落時にTOPIX型ETFを買う態勢を残し、すでに購入したETFについては売却の検討さえしていない。
【日銀ETF買い入れ方針の変更点】
1:日経平均連動型ETFの買い入れはやめ、TOPIX連動型ETFのみ買い入れる
2:「年間12兆円の買い入れ上限」は維持
3:「原則年間6兆円の買い入れ」を削除
TOPIX型ETFを通じた日銀マネーが流入
日銀のETF買いルール変更で相場はどう動くのか。大神田氏は「日経平均に入っていないTOPIX銘柄が狙い目」と予想する。
「リクルートHDはTOPIXの構成比の1.3%を占める。日銀が1回700億円のETF買いを入れれば、このうち9億円がリクルートHD株買いに充てられる計算だ。アドバンテストのように、日銀の買いすぎで市場に流通する株が少なくなった銘柄も、ETF買いが入れば株価が上がる可能性が高いでしょう」
東証1部の小型株にも妙味がありそうだ。
「1部上場といっても規模の小さい銘柄はマザーズなど新興市場の銘柄より日々の取引が少なく、加藤製作所や筑波銀行などのように数百万円の買いが入っただけで株価が上がってしまう銘柄もあります。株価下落時に予想される日銀ETF買いによる買い支えのインパクトは絶大でしょう」(大神田氏)
また、1部昇格銘柄も日銀トレードの有力候補となる。
「東証1部への直接上場や2部市場などからの昇格銘柄は、1部登録の翌月末にTOPIXの算出対象に加わる。例えば4月13日に東証1部に直接上場した紀文食品は5月31日付でTOPIXの算出対象に加わります。当然、TOPIX型ETFも紀文食品を新たに組み込むことになり、相場環境によらず日銀マネーによる買いが入ることになる。プラント大手の千代田化工建設、カードゲームのブシロードなどは年内1部昇格が有力視され、1部昇格の翌月末にはTOPIX型ETFを通じた日銀マネー流入で一段高が期待できそうです」(同)