20代の転職、コロナ不況でも採用される人・されない人の格差事情
コロナで企業側の採用に大きな変化が
コロナを機にデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されたこともあり、企業側の採用スタイルにも大きな変化が表れているという。
「オンラインを中心とした採用が主流となっているため、対面の面接に比べて企業の雰囲気を伝えることが難しくなりました。そこで企業側にも“いかに立体的に(採用情報を)伝えられるか”が求められるようになりました。
例えば、求人票に『リモート勤務の有無』『副業の有無』『オンライン会議の際に使用するツール』『どのようにコロナ感染対策をしているか』など細かな情報を伝えたり、コーポレートサイトに写真をたくさん掲載したりして、働くイメージがわかるよう工夫している企業もあります。
さらに、オンライン面接では人事担当者だけでなく、入社した際に一緒に働くであろう同僚や上司になるメンバーを同席させることも。多面的に企業の魅力を発信することが必要になっているのです」
「オンライン面接」への対応は必須
また、求職者もオンライン採用に順応できるよう、最低限の準備が必要だと話す。
「前提として、オンライン面接では得られる情報に限りがありますよね。だから企業側は減点方式ではなく、どういう人なのか雰囲気を確認することを目的として場合がほとんど。最終的には対面で面接したときに採用の有無を判断される場合が多いです。
ただ、オンラインのときにもできるだけポジティブな印象を与えられるよう、求職者には事前に『ビデオはオンになっているか』『ネット回線は問題ないか』などはきちんと確認しておいたほうがいいとアドバイスをするようにしています」
最後に、コロナ禍による転職で“失敗しがちな人”の特徴を聞いた。
「自分には『この業務しかしたくない』と頑固になってしまっている人です。コロナによりテレワークや副業の解禁など、企業は柔軟な働き方を取り入れるようになりました。それにあわせて、仕事内容を柔軟に対応できる人が重宝されるようになっています。
今までの働き方が一変し、新しい働き方にシフトした結果、いまだに試行錯誤している企業がほとんど。企業側のそのような事情を汲みとって臨機応変に働く力が求められているのではないでしょうか」
先行き不透明な状態はしばらく続きそうだが、この状況をうまく逆手に取って、自分なりのキャリアアップを実現させよう。
<取材・文/橋本岬>