ファミマが消費者金融に参入。借金苦の若者は増えるのか、専門家に聞く
利用客として気がかりな点は…
「信用情報や個人のリスクの審査は、同じく新生銀行グループの『アプラス』や先述の『デジタルワン』あたりが既存のデータを基に、スコア化していくことになるのかなと思います。
信用情報データがどちらから提供されるのか、まだはっきりしていませんが、審査は1社で行われるのが理想。なぜなら複数の会社間で個人情報をやり取りされるのは良いことではないですから。
もちろん、そんなことはないとは思いますが、審査に通った/落ちたといった個人情報がファミマの店舗などに流出するような可能性がないか、やはり利用客には気がかりな点だと思います」
基本的に申し込み条件は普通の消費者金融と同様で、アルバイトも含む継続・安定した収入がある20歳以上69歳以下になると予想される。小売りサービスにとって消費者金融業は「景気に左右されない点でも魅力的なビジネスだ」と小林氏は語った。
「好景気なら遊ぶお金、不景気なら生活のお金という感じで、消費者金融は景気がどっちにブレても比較的に安泰です。システムだけつくって年18%のリターン、分割払いなら固定客のお得意さんみたいな状態ですからね」
「FamiPayローン」は“絶妙な設計”
「今の市場規模は4兆円ほどで、絶頂期と比べると小さくなった。とはいえ、1980年くらいからバブルに乗っかり、2000年くらいまでの20年間は20兆円産業でした。本質的には消費者金融と同じですが、これからも各社は新しいお金の貸し方をいろいろ画策しているのでしょう」
急にお金が必要な場合も、サラ金のイメージのある消費者金融を避けたい気持ちが、利用者にはあるだろう。他方で、クレジットカードの審査が通らない若者も近年は決して少なくない。
過去の市場規模や潜在的なニーズを踏まえると、異分野の企業などが新たな貸付サービスを若者向けに展開する動きも当然なのかもしれない。
「若年層では携帯端末代の返済が口座から引き落とせず、返済履歴に傷がついている人も多い。形式的な面もありますが、現行の法律では20歳未満の学生などがクレカを持つには親権者の同意が必要ですし、仕事をしていなければショッピング枠の限度額も5万円程度。
その意味でも『FamiPayローン』の限度額10万円は非常にいいところをついてきた印象です。大手消費者金融の一般的な限度額が30万~50万円のなかで、限度額10万円は安心感ありますし、若者を意識した敷居の低い設計です」