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年収700万円の“元ひきこもり”が語る「就活を早々に諦めた」理由

コラム

 近年は中高年のひきこもりが、「8050問題」とも呼ばれ、注目されています。一方で、内閣府が2015年に行った「若者の生活に関する調査」によると、15~39歳のひきこもりは推計54.1万人。15歳未満の小中学生のひきこもり今は多いですし、10~20代の若年性に絞っても軽視できない問題であることはわかるはずです。

引きこもり

画像はイメージです(以下同じ)

 しかし、40代以上の方に比べれば、同じひきこもりでも若い人のほうが社会復帰しやすいのは事実。現在、フリーランスのシステムエンジニア(SE)をしている白崎英司さん(仮名・26歳)は同級生からいじめを受け、中学1年の途中から卒業まで不登校。高校はほとんど学校に通わないまま中退し、10代の約5年半をひきこもっていたといいます。

就職することを早々に諦める

「外出はできましたが、学校だけは行けませんでした。高校中退後は高認(高卒認定試験)を取って大学に進学。通信制だったこともあり、今度は中退しないでなんとか4年で卒業することができました。

 でも、問題はその後で、こんな自分が普通に会社で働くことができるのかなって。一応、就活はしてみましたが、面接で相手の目をちゃんと見ることもできなければ、何度も噛んでしまい、質問にもロクに答えることができなかった。それで就職することを早々に諦めてしまったんです」

 とはいえ、再びひきこもって10代のころのように親に迷惑をかけるつもりはなかったとか。そこで自宅で仕事ができるように大学在学中から準備していたといいます

SEになるために情報処理系の資格を取得

ビジネス 落ち込む

「結果的に就活は途中で断念しましたが、仮に就職できても長続きする自信はありませんでした。それでひとりで仕事ができないかと思い、パッと浮かんだのがシステムエンジニア。社員でも当時からリモートワークが多い業種でしたし、フリーランスでもやれそうだなって。

 ひきこもり時代は毎日何時間も部屋でパソコンに向かう生活でしたし、趣味程度でしたが独学でプログラミングもかじっていました。簡単なシステムを組んだりしていて自分に向いていると思ったんです

 大学は情報系の学部ではなかったため、SEとして働くには何もかもが足りないと感じていた白崎さん。そこで専門学校の通信講座を受講し、より実践的な知識や技術を学びます。

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