4か月で1000万稼いだ人も。IPO直後の株を狙う「セカンダリー投資」
海外配分が多い銘柄を狙うべき理由
また、近年はIPO時に国内投資家だけでなく、海外投資家に配分するケースも多い。こうした銘柄は中長期視点で狙い目だ。
「日本のIPO銘柄に投資する海外勢は、上場時に売り抜けるのではなく中長期で保有して成長を待つ投資家もいる。このため、海外配分が多い銘柄は大きな売りが出にくく下値が堅い傾向にあるんです。
最近上場した銘柄では、ロボアドバイザー投資のウェルスナビ、ゲノム編集のモダリス、スキルシェアリングのココナラなどが当てはまり、知名度も高い。コロナ禍によって、多くの初心者が市場に参加したので、知名度のある企業は人気が高く、値崩れしにくくなっています。また、大穴狙いなら、リスクはありますが、化粧品会社のアクシージアがオススメです」
もちろん、上場直後の激しい値動きはセカンダリー投資の醍醐味でもあり、リスクを承知なら、数秒で大きな利益を狙える。
IPOセカンダリー投資は短期デイトレでも
注目IPO銘柄の需給を詳細に分析し、ツイッターにあげている、らすたねこ氏(@rasutaneko1)は「最も重視するのは“売り圧力”だ」と語る。
「短期はほぼ需給がすべて。買いが多く、売りの少ない値動きの軽い銘柄を狙うのが鉄則。公募分に加え、ロックアップがかかっていないベンチャーキャピタルや上場前からの株主の保有株は、需給を崩す可能性がある売り圧力です」
ロックアップとは、上場前からの株主であるベンチャーキャピタルなどに上場後一定期間は売却できないよう設けられたルールであり、この縛りがない持ち分は売り圧力となりやすい。
「これが小さい銘柄ほど需給が締まって上昇しやすい。ただ地合いが悪いと、その後、急落することもあり、下手にテクニカルやファンダメンタルに固執していては大損するだけ。上場後の数日はマネーゲームだと思っています」
また、たとえロックアップがあっても、株価が公開価格の1.5倍に達すると解除されるケースも多いので、この場合は売り圧力に含める。時価総額が低く、売り圧力の小さい銘柄や、売り圧力を吸収するほど買い需要の大きな銘柄を狙っていくのだという。
「購入後は板と1分足を注視し、高値圏で大きな陰線が出たら大口投資家が撤収を始めたサインと判断して、損益にかかわらず速やかに売却します。再度上がることもありますが、とにかく暴落に巻き込まれないことが最優先です」(らすたねこ氏)