急成長する紅茶市場。コカ・コーラが進める「脱・甘い紅茶」誕生秘話
無糖ストレートティーという挑戦
今後、紅茶市場はどのように変化していくのだろうか。日本コカ・コーラでは、紅茶花伝シリーズの次なる一手として、2021年3月8日に新商品「無糖ストレートティー」を発売。
紅茶はミルクティー・フルーツティー・ストレートティーという3つのサブカテゴリーにわけられる。紅茶花伝シリーズはこれまで、ロイヤルミルクティーとフルーツティー(ピーチ、オレンジ、レモネード)の2つのサブカテゴリーで展開していた。ここに最後のひとつのサブカテゴリーであるストレートティーも加わる形となった。
「ストレートティーは、いわば“紅茶のど真ん中”です。ミルクティーとフルーツティーは乳飲料やフルーツが紅茶に加えられます。ストレートティーは、他の2つのカテゴリーとは違い、テイストを付け加えるということがありません。つまり、紅茶本来の香りや味がもっとも求められる分野なのです」
なぜ今、紅茶の「ど真ん中」を新たにラインナップに加えたのだろうか。
「無糖ストレートティーの過去3年の平均伸び率は18%(前出インテージ調査)と、紅茶のカテゴリーの中でも伸びが特に大きい分野となっています。仕事や勉強の合間の休憩や食事など、さまざまなシーンで飲める点が拡大している理由のひとつです」
山腰氏は無糖ストレートティーが他の飲料からの流入率が高い事にも注目している。
「無糖ストレートティーはコーヒーやお茶などの他の飲み物から、幅広く流入が見られる点も特徴です。ミルクティーとフルーツティーを飲んでいた人が無糖ストレートティーに変えるという紅茶内でのスイッチではなく、他の飲料から無糖ストレートティーにという割合が高いです」
150回以上の試飲の末、誕生した
この「無糖ストレートティー」には、発売に至るまでにこれまでの紅茶花伝シリーズとはある点で違いがあるという。
「無糖ストレートティーは発売までに試飲する回数が多かったのが特徴です。紅茶花伝として発売するまでにはどれも100回前後は試飲をしますが、無糖ストレートティーの試飲回数は150回以上にもなりました。紅茶をはじめて飲むという人にも、飲み慣れている人にも、満足してもらえる本格的な紅茶を提供したい」
茶葉のブレンド、抽出、温度……、こういった点での微調整に微調整を重ねていくことで試飲回数は増えいったという。そんな紅茶花伝を手がけるチームの思いは、公式サイトにも現れている。
「紅茶花伝公式サイトで、ロイヤルミルクティーや各種フルーツティーではおススメのアレンジレシピを公開しています。ですが、現段階では無糖ストレートティーはアレンジレシピの公開をしていません」
これは決して「無糖ストレートティー」のアレンジレシピの提案がないからという理由ではない。“あえて”レシピを公開していないのだという。
「無糖ストレートティーはまずは味と香りをそのまま楽しんで欲しいです。アレンジレシピの公開は、多くのお客様に無糖ストレートティーを手に取っていただいて、それからですね」
夏以降は「無糖ストレートティー」のアレンジレシピをはじめ、その他の紅茶花伝シリーズでも楽しみ方の提案が充実されていく予定だという。