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LINEの情報漏洩リスク「中国の法律」を知るとわかる本当の恐ろしさ

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身近なところに潜む安全保障リスク

 中国でコミュニケーションツールの開発や運用を行うことからは大きな利益が期待できる。しかし、今回の騒動からは経済的利益を重視し過ぎるあまり、LINEは個人情報の保護や安全への配慮が欠けていたと言わざるを得ない。
 
 以前、北海道や国境離島にある土地が外国資本に買収されていという記事を執筆したが、それと同じように、サイバー空間というより身近なところにも、国家の根幹をなす安全保障上のリスクが潜んでいるのである。

 安全保障や紛争、テロなどというとLINEを使う若い世代の日本人は対岸の火事に感じるかもしれない。しかし、今後さらに米中対立が深まり、日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中では、サイバー空間に潜む安全保障リスクについて企業や個人はこれまで以上に強く意識する必要がある。

有事の際に企業に圧力をかけられる法律が

セキュリティ

 現在、軍事的な紛争というリスクを各国とも取りにくいからこそ、サイバー攻撃や情報漏洩といったものが大きな問題になるのだ

 中国には「国防動員法」という法律がある。有事の際、外資を含む企業や医療機関などが政府や軍の管理下に置かれ、それらをコントロールできるようになるものだ。

 要は、中国政府が日本に関する情報を入手したい際、それらに関連する企業へ国家が圧力を掛けることは想像に難くない。今回の騒動を今後教訓にするべきだろう。

<TEXT/国際政治学者 イエール佐藤>

国際政治学者。首都圏の私立大学で教鞭をとる。小さい頃に米国やフランスに留学し、世界の社会情勢に関心を持つ。特に金融市場や株価の動きに注目し、さまざまな仕事を行う。100歳まで生きることが目標

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