毎日新聞、かっぱ寿司まで。コロナ禍で相次ぐ「大企業の中小企業化」の背景
大企業にも厳しい冬の時代が
大企業は認知度も高くどうしても目立ってしまうが、企業全体で見ると非常に少数である。その大企業の一部が中小企業化することになっても、すぐには社会や経済に大きな影響が出る心配はないという。
「(中小企業化は)全般的なトレンドというよりもコロナ禍で業績の厳しい特定の業界に限られると思います」
相次ぐ中小企業化は社会や経済に大きな影響を及ぼさないというのが森氏の分析だが、中でも特に気になったケースがあるという。
「毎日新聞社です。新聞社といえば寡占化されており、日本の大企業の典型という存在でしたが、コロナ禍で広告費等が抑制されたこともあり、資本金42億円から1億円へと減資すると発表しています」
観光業や飲食業と比較すれば、新聞社はコロナの影響は小さいと思われる。しかし、この間に五大全国紙のひとつにも数えられている毎日新聞社が中小企業化を発表。
森氏は毎日新聞の中小企業化を「大企業にも厳しい冬の時代がやってきたのではないか」と分析している。飲食業や観光業以外の大企業においても厳しい状況に置かれる事が今後増えてしまうかもしれない。
現状においては、中小企業化は業種も限定的でかつ、直近で社会や経済への影響は少ない。しかし、毎日新聞社のような中小企業化が続くとしたらこれは風向きが変わってくるはずだ。
<TEXT/菅谷圭祐>