本厚木が躍進。最新「住みたい街ランキング」を不動産のプロが検証
昨年1位の「池袋」急落の理由とは?
前回の「借りて住みたい街ランキング2020」で1位だった池袋は4ランクダウンの5位という結果に。順位を落とした理由を前出ののらえもんさんは次のように推測します。
「コロナの影響で今年は上京や転勤といった単身者の移動が抑制されたと聞きます。そうなると池袋のようなワンルームが多いエリアは相対的にランクダウンします。算出方法からして実情を反映しやすい『借りて住みたい』の結果において、東京都心は4位の池袋が最高位で後は姿を消し、代わりに環八から国道16号の間に立地する街がランクインしています。
このあたりは新婚夫婦が手始めに暮らすファミリータイプもお手ごろな賃料である街なので、単身者の移動減による影響が少なく相対的に浮上したと見ます」
郊外の躍進が目立つランキング結果に対して、都心部で健闘している街に注目するのは、不動産会社を経営するR.Ninomiyaさん(@1r_mitsuryo)です。
「弊社で問い合わせが多い、白金高輪や目黒がランクアップしているのは順当と感じます。都心部でも広い物件のニーズが高まってますが、そうなると駅から結構距離がある物件が候補となります。
目黒でいえば、権之助坂を下りきって油面(あぶらめん)あたりで武蔵小山、学芸大学にも自転車で行けそうな場所、人によってはバス利用も検討する立地です。ですが、今やこういった場所の物件が、2番手、3番手の申し込みは当たり前の争奪戦状態です」
都心部の駅遠・広々物件が取り合いに
ステイホームやテレワークに適した広い住環境が求められる傾向は都心も郊外も変わらないようです。
「港区や中央区に住んでいたアッパーミドル層にとっての“郊外”が、目黒、武蔵小山、学芸大学なのではないでしょうか。実際お問い合わせのニーズは賃料帯の高いエリアから、同じか少し安い賃料で広くて静かな住環境というリクエストが多いです」
一方で、ランキング結果で順位を落としている恵比寿については一時的な落ち込みと語ります。
「恵比寿三越は閉店しましたが後継テナントも決まってますし、渋谷エリアの再開発の恩恵で更に魅力的な街になるので、コロナ禍での一時的な下落でしょう。このあたりにお住まいの方は、港区ほどギラギラしてないし文京区ほど落ち着いていない、自然体で都心の生活を楽しむ人といった印象でとても住みよい場所です。
デメリットをあげるなら、物価がちょっとお高いですよね(笑)。ランチで小さいオムライスとコーヒを頼んだら2000円近くらいして驚くこともあります」
今回ランクインした街は、都心・郊外問わず上位に入るだけの実力を持つ街といえそうです。あなたが住みたい街はランクインしていましたか?
<TEXT/栗林篤 協力/全宅ツイ>
【投資信託 @terukitasako】
都心系地主アカウント。日本橋、広尾、飯倉、初台、恵比寿に一棟収益ビルを保有。本業は老舗料亭。デベや全宅ツイ会員が足繁く通うJD専門店を運用する不動産投資家。
【のらえもん @Tokyo_of_Tokyo】
湾岸タワマンに住んでいるという設定のマンションブロガー。人間界ではいたって普通の都内勤務サラリーマン。
【R.Ninomiya @1r_mitsuryo】
神宮前不動産というお店で賃貸仲介をしています。業界初の仲介手数料システムで頑張っています。