タワマンには2種類ある!? いつか住みたい人のための基礎知識
タワーマンション2種類のコンセプトの違いとは?
そもそも「駅前商店街真ん中」という場所は、以前の価値観では住むのにさほど適した場所とはみなされませんでした。高級住宅地といわれる戸建街は駅から若干離れた、なだらかな丘の中腹にゆったりとした敷地で作られていることが多いです。
しかし時代は進み、入居者は高齢化します。買い物や病院などの往復が楽な駅前タワーマンションは、絶好の買い替え場所として人気で、特に高層階は高い価値がつけられました。
こうした高級マンションには、大規模ファミリーマンションによくある「キッズルーム」が設置されないことが多いです。入居者の中で子育て世代もいるのですが、部屋の設定上、全体としてマイノリティになるからです。
すぐ目の前が駅前ということもあり、入居者が共同で使用できる共用施設も若干少なめで、定番といえば「広々としたロビー」「眺めの良いスカイラウンジやキッチンスタジオ」や「屋上スカイデッキ」などが入ります。
逆に、駅前から若干離れた工場跡地などに建つファミリー層が入居するタワーマンションは、多彩な共用施設が用意されます。前述の「キッズルーム」「スカイラウンジ」「屋上スカイデッキ」はもちろんのこと、「ジム」「プール」「カラオケルーム」「シアタールーム」「キッチンラウンジ」「ヨガスタジオ」「カフェやバー」「ライブラリー」「棟内コンビニ、ミニショップ」などです。
これは、利便性が駅前に比べて劣ることも多く、棟内である程度便利な生活ができることを目指していたり、ファミリー同士の交流が生まれるように場の提供をしているからだと思われます。
タワーマンションのコンセプトが食い違うことも…
と、ここまでは立地とコンセプトの違いについて語りましたが、やはり入居するとさまざまミスマッチが起こります。
駅前高級タワーマンションでも子どもは産まれてきますし、ちょっと大きくなると走り回るものです。タワーマンション内外で発散する場所がなくて、もともと通り過ぎるだけで滞留することを想定していないロビーに子どもが走り回ったり、スイッチ片手に溜まったりします。入居者からはマンションの高級感が損なわれると、怒られてしまいます。
逆にファミリー層向けタワーマンションでも、最初に「ホテルライク」を売りにしていると、走り回ったりボール遊びする子どもたちに悩まされます。親たちはみんなファミリーだと思っていたのに、と考えていてもやはり年配夫婦や独身男性も住んでいるからです。
こうしたミスマッチが起きているマンションは、棟内のあらゆる場所に「走り回らないで!」というような張り紙がされることになります。最初の高級感はどこにいったのやら、なかなか高級感と子供が育つ場所の両立は難しいですね。
一口にタワマンと言っても立地によってコンセプトや住民層がガラリと変わります。「いつかは眺めの良いタワマン、でも高級すぎて自分には合わない……」とお考えのあなた。いろいろ探せば、あなたにピッタリなタワマンに出合うことができるかもしれませんよ。
<TEXT/のらえもん>